子宮鏡検査時の薬について

遺残卵胞の影響?排卵しない原因がわかりません

セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
さぁやさん(34歳)クロミッド® 服用後、他院でD13 の卵胞チェックをしてもらったところ、左側に10mm の卵胞、子宮内膜の厚さは8mm。右側に排卵後のような影が見えましたが、前周期の遺残卵胞だろうと言われました。翌日、主治医にて再度、卵胞チェック。内膜の厚さ11mm、D13 で見えた卵胞は見当たらず、排卵直後という診断になりました。卵胞10mmでも排卵するのか、内膜は1日で3mmも成長するのか、遺残卵胞のせいで今回の卵胞が育たなかったのか…。他院で診てもらったため聞きづらいのですが、いろいろと疑問です。

さぁやさんの相談内容を見て、気になる点などはありますか?

宇津宮先生● 排卵の有無にこだわりすぎていることが気になりますね。通常、排卵は超音波検査での所見と卵胞ホルモンのエストロゲン、黄体ホルモンのプロゲステロンの値から診断します。高温期がきていて、卵胞が見えた翌日には消えていたのなら排卵したとみなし、それ以上は追求しなくてもよかったはずです。また、卵管造影検査は行っていて異常なしとのことですが、タイミング後のヒューナー検査やホルモン値の記述などはありません。本当にひと通りの検査をしているのか、不妊治療の全体像を理解しないまま治療を進めているような印象さえあります。

さぁやさんが今後受けたほうがよい検査や治療法はありますか?

宇津宮先生●ブライダルチェックで過去のクラミジア感染が判明したとのことですから、この感染が黄体化未破裂卵胞(LUF)の原因になったのかもしれません。炎症で癒着を起こしていたり、卵巣表面の変化により、いかにも排卵しているように見えても実際は排卵していない可能性があるからです。
 今後については、年齢的に少しスピードアップしたほうがよいですね。まず最善の排卵誘発法で排卵をさせながら2〜3回タイミング法を試し、結果が出なければ腹腔鏡検査で癒着や子宮内膜炎がないかなどを調べましょう。多囊胞性卵巣(PCO)がある場合、卵巣に小さな穴を開けるドリリングを行えばその後3〜4回は自然排卵し、妊娠に至る可能性は高まります。

その他、アドバイスはありますか?

宇津宮先生●さぁやさんはプロラクチンの値が高く、大小の卵胞が見えたあと消えたという現象があったということですから、PCOの傾向にある可能性は十分に考えられます。私が主治医なら、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、糖尿病によるハイリスク妊娠、将来的には子宮内膜がんの可能性があることをきちんと説明したうえで、それらを見越した検査・治療法を提案し、「PCOなら卵子がたくさん採れるから、赤ちゃんを抱ける可能性は非常に高いですよ」と伝えます。そして、主治医任せではなく患者さんご自身が不妊について勉強することも提案します。今どのような状態か自分で理解できますし、適切なステップアップを選択できる知識をもつことが、妊娠・出産にたどりつく近道だと知ってください。
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