【Q&A】排卵までの日数と卵の質について~政井先生【医師監修】

りっきーさん(32歳)

前回の排卵までの日数は14日で、hcgを打たなくても順調に卵胞が成長し、自然に排卵しました。
今回は、9日目に経膣エコーで内診しても卵が育っていないと言われ、HMGを打ちました。排卵までの日数をかけない方がいいと言われています。
排卵までの日数が長いと卵の質は悪いということなのでしょうか?前回と同じように睡眠、ストレスなどに気をつけていても毎週期排卵時期や卵胞の大きさや様子、個数など変わるものなのでしょうか教えてください。

政井先生にお聞きしました。

【医師監修】佐久平エンゼルクリニック 政井 哲兵 先生
鹿児島大学医学部卒業。東京都立府中病院、日本赤十字医 療センター、佐久市立国保浅間総合病院、高崎ARTクリニック 勤務を経て、2014年に佐久平エンゼルクリニックを開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください
■排卵までの日数と卵子の質について
こちらはドクターによってさまざまな考え方があると思いますが、わたし自身は排卵までの期間が長い=卵子の質が悪いという考え方には否定的です。
女性の卵子はその方が生まれる前にまだ母親の子宮の中にいるころにすでに卵子のもとになる細胞(卵母細胞)というものがつくられ、生まれてしばらくの間休眠状態にあるものが、思春期になって排卵するようになり、毎月自分の卵巣にあるストックのなかから通常は1月に1個の卵子が排卵されるというサイクルを繰り返します。
生まれてから新しい卵子がつくられることはないと言われています
なので、30歳の方の卵子は30年間、40歳の方の卵子は40年間その方とずっと一緒に過ごしてきたということになります。
なので、その周期単独での排卵までの期間の長さは、これまでにずっと一緒に過ごしてきた数十年という期間から考えると微々たるものであり、排卵までの時間をもってその方の卵子の質が大きく変わるということは通常あり得ないと考えています。(あくまでも私の意見です)
敢えて言えるとすれば、生まれてからずっとその方と一緒に過ごしてきた卵子の年数(通常は女性の年齢=卵子の年齢と考えることができます)は、当然に妊娠率に大きく影響する部分になります。
40歳の方の卵子より30歳の方の卵子の方が圧倒的に妊娠率が高い理由です)

■排卵までの長さと生活習慣等について

ストレスや様々な環境要因等でその月々の排卵までの長さは変わる場合があり、毎月一定ではありません。
仕事のストレス、睡眠不足、食事など排卵に与える影響は様々です。
毎月ある程度一定のペースで排卵ができているかどうかは基礎体温を参考にすると分かりますので、ご自身の健康の一つの指標として基礎体温表を参考にしてみてもよいかと思います

■今後の妊活について

排卵のペースに差はあるにしてもある程度毎月排卵がしっかり起こっているようなので、引き続きタイミング法または人工授精を続けてみていただいて、ある程度のところで体外受精も視野にいれるようであれば早めにご検討いただいてもよいかと思います。
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