内田クリニック 内田 昭弘 先生

ジネコは妊活中の方、不妊治療に悩まれている方を応援するため、毎月、無料のオンライン質問会を開催しています。
オンライン質問会では、事前に寄せられた疑問や悩みをドクターがQ&A 形式で答えてくれます。
参加費は無料です。ぜひ、ご参加ください。

内田クリニック 内田 昭弘 先生 島根医科大学医学部卒業。同大学の体外受精チームの一員として、1987 年、島根県の体外受精による初の赤ちゃん誕生に携わる。1997 年に内田クリニック開業。生殖医療中心の婦人科、奥様が副院長を務める内科、大阪より月1 回来院の荒木先生による心理カウンセリングとサポート体制が充実している。

精子の運動率の改善と自然妊娠の可能性は?

私は45歳、夫は51歳で喫煙者。排卵日以外はタイミングを取らず、顕微授精に頼っています。治療の休み月に自然妊娠は可能ですか? また、精子運動率が0ですが、射精を増やすことで改善できますか?
司会●ご主人が喫煙者、奥さまは左卵管閉塞。自然妊娠は可能?
内田先生●今までの治療歴と、この条件から言えば、自然妊娠は難しいかなと思います。仮に、当院の外来で顕微授精の治療周期を組んだとしても、奥さまが45 歳であれば100 組中、出産まで進むのは1 ~ 3 組くらいとお伝えする年齢です。
 また、ご主人の年齢が51 歳で喫煙者ですよね。ということは、精子の条件も悪くなることはあっても良くなることはないということです。たとえば20 歳から喫煙をしていたとして、30 年間は確実に悪い条件がずっと続いていることも考えられます。自然妊娠ということに関しては、厳しいのではないでしょうか。
司会●精子の運動率は、たくさん射精することで改善しますか?
内田先生●検査段階で0%であれば、おそらく別の段階で検査をしても0 の可能性があると思います。原因を見つけて改善しない限りは、この数字が続くと思います。
 運動率0%を指摘された時の検査状況で、保管状態が悪かった、あるいは取ってから時間がたっていたなどの条件がある場合、そこを改善すれば運動精子が見つかるかもしれません。
 もとから運動精子がいない場合は、改善する可能性はないだろうということも考えておく必要がありますが、今は顕微授精という方法があるので、精子が細胞として生きていれば受精が可能です。そこは期待できると思いますよ。

妊娠・妊活中のコロナワクチン接種しても大丈夫?

36歳です。初めて体外受精で陽性、8週で稽留流産し、その後3回目の移植で妊娠、今は16週です。妊娠中や妊活中に、数年後の保証もできていないコロナのワクチンを接種してもいいでしょうか?
司会●妊活、妊娠中のコロナワクチンは、打つべきでしょうか?
内田先生●日本産科婦人科学会と日本産婦人科感染症学会では、ワクチン接種をすすめています。私も同様におすすめします。
 学会は、妊娠中のワクチン接種について、2021 年3 月より3 カ月ごとに確実に情報を更新して発信をしています。これは、世界のワクチン接種から得られる情報を、学会として内容を精査して伝えてくれているということです。当院のHP にもその考えを載せていますので、見ていただければ内容がわかります。
 未知の薬に対しての心配もあろうかと思いますが、今、コロナウイルスに対して全世界が全力で対策に取り組んでいます。その対策の1 番がワクチンとされています。そのワクチンを打ち、仮に1 年後、2 年後に何らかの問題が起きることがわかれば、その時には、再び全世界が全力でワクチンに対しての問題点の対策を取っていくと考えていいと思います。
 当初は、12 週までは打ってはいけないとか、接種の前後で胎児心拍の確認が必要でしたが、今は、打てる時に打ちましょうとなっています。妊娠中は重症化するリスクが、妊娠をしてない方に比べて3 倍近くあるのではないか、という報告が見られるからです。3 カ月、半年たつとまた新たな情報が出てくると思うのですが、今は、コロナにかかりにくくなる、かかっても重症化しないために、ぜひ、前向きに検討してほしいと思います。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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