【Q&A】二人目不妊で顕微授精~浅田先生【医師監修】

てん子さん (37歳)
男性不妊で顕微授精をしています。
一人目は2回目の人工授精で成功し、2018年に出産しました。
今までの治療は
1)採卵10個 2個凍結
1回目…化学流産
2回目…陰性
2)採卵4個 2個凍結
3回目…陽性(9週で流産)
4回目…陰性
3)採卵10個 2個凍結
5回目…2個移植陰性
4)採卵12個 6個凍結
6回目…2個移植陰性
子宮鏡検査もしましたが、問題なく綺麗とのことでした。ポリープも切除済みです。
毎回グレードのいい胚盤胞ができるのですが、成功しません。
担当医からは「流産したが二度妊娠してるのでTRIO検査は必要ない」と言われ、受けていません。
保険も使いきってしまい、受けられる検査は全て受けましたが成功せず途方にくれています。
あと4つ胚盤胞が残っていますが、何かできる事はありますか?
やはりTRIO検査は受けた方がいいのでしょうか?

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

二人目不妊で、採卵を4回されているということですが、採卵した卵の数に対して、胚盤胞到達率があまりよくない印象を受けます。
また、TRIO検査を受けるか迷われていますが、TRIO検査のうちのERA検査は“検査をするとむしろ成績が悪くなる”という論文が発表され、“ERA検査はするべきではない”というのが世界的な見解として定着しています。
EMMA検査、ALICE検査についても世界では否定的な意見が多く、現在TRIO検査をしているのは、日本くらいではないでしょうか。
子宮環境がよくなれば妊娠率が向上するというのは科学的ではなく、世界的にはそれに高額な費用をかけることは無駄だ、という見解が一般的だと思います。
37歳であれば、受精卵ができても平均で6~7割は染色体異常だと言われていますので、見た目のよい受精卵を移植したとしても染色体異常があれば、受精卵の成長が早く止まってしまい妊娠しない、あるいは成長しても流産になる可能性が非常に高いです。
卵巣刺激の技術、顕微授精の技術、培養の技術が高いクリニックで治療し、できればPGT-A検査を受けて無駄な移植をしないことが妊娠への一番の近道だと思います。
的確な情報をもとにPGT-Aを行っている施設での治療をおすすめします。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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