卵子と着床のためにできること-2

治療法も生活法も夢の特効薬はない。可能性があればすべて試しましょう

不妊治療中、最も気になるのが「卵子の質」と「着床」をどう高めるかでしょう。治療の真っ只中にいる方にも、これから治療を始めようと考えている方にも参考となり、かつ治療で迷走しないために知っておきたいことを、ベストドクター認定の高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。

着床のためには基本の検査をおろそかにしない

着床のためには着床障害の原因を調べる検査を行って治療をします。それには「従来からある着床障害検査」と「最近の着床障害検査」に分けられることを知っておいてください。

従来からある着床障害は子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、子宮内腔癒着、卵管水腫など肉眼でわかるものをいい、子宮鏡や子宮卵管造影、超音波検査で特定し、同時に治療も行える大事な基本の検査・治療になります。

次に、最近の着床障害は「体外受精において良好な胚を3~4回移植しても妊娠しない」ことを指し、検査で原因を特定して治療につなげます。対象は40歳未満の人になりますが、40歳以上の方でも受ける意味はあります。

私のクリニックで頻度の高いものから、慢性子宮内膜炎、子宮内フローラ、Th1/Th2、ERA、PRP 療法、PFCーFD 療法の順になります。

慢性子宮内膜炎と子宮内フローラの問題は検査で原因を特定すれば、抗生物質や乳酸菌製剤で治療できます。Th1/Th2 のバランスの問題は採血検査をして免疫が強すぎれば免疫抑制剤で治療します。PRP 療法、PFC ーFD 療法は最新の再生医療になり、患者さん自身の血液から抽出した成長因子を、子宮に注入して内膜を厚くするものです。症例は少ないですが期待する治療です。

じつは着床のメカニズムはまだわかっていません。新しい着床障害を調べる検査法の確実性については、まだ世界で明確には認められてはいませんので議論が必要でしょう。しかし現時点で否定する根拠もありませんので、私が可能性を感じるものは積極的に取り入れています。

これは私のクリニックの方針になるのですが、一つの治療にこだわらないで、選択肢をいくつももつようにしています。妊娠するための治療法は患者さん一人ひとり違うからです。そして治療には高度な技術を要するので、基本をおさえることが重要になってきます。ここでいう「基本」とは最低ラインを指すのではなく、世界が認める一番大事なことを意味します。したがって基本の検査をおろそかにしないで、治療前に必ず受けておきましょう。貴重な治療時間を無駄にすることもなく、着床のためにできることの一つです。

卵子のための夢の特効薬はない。可能性があればすべて試す

卵子の質とAMH の数値の関係については、「質も関係する」という報告もあり、まだ議論の途中です。数値は一つの目安、低い数値なら「早く治療する」につきるので、あまり気にされなくてよいと思います。 卵子の質を含めて不妊治療全般に言えることは、「これが一番」という特効薬がないのです。ですから治療法も生活法も可能性があるものはすべて試してみましょう。

生活法では日本抗加齢医学会専門医の視点から運動、食事、睡眠の質を高めることがおすすめです。特に運動は血流を良くし、成長ホルモンが分泌され卵巣の働きを良くします。サプリメントに関しては妊娠に良いとされるビタミンD、メラトニンDHEA(※医師のもとで購入する)などを摂りますが、総合ビタミン剤で全身の状態を整える事も考慮しています。

そして、シロクロ明確に言えないことも多い不妊治療ですが、着床しない最も大きな原因は胚の染色体異常なのです。

特に40才以上の方では、着床障害よりも卵子(胚)の染色体異常の影響が大きいのですね。これは加齢が関係しますので、治療をやると決めたならば1日でも早く始めましょう。

卵子と着床について先生のお考えを聞きました!

着床に有効と思われる検査や治療は?

子宮内フローラ、Th1・Th2 、 PRP 療法、ERA、ビタミンD、PFC-FD 療法、

慢性子宮内膜炎、銅・亜鉛、 PGT-A、甲状腺機能、二段階胚移植

AMH の数値と卵子の質は相関していると考える?

どちらともいえない。

基本的には残存卵子数と関係しますが、「最近の報告では、質も関係している」という報告もあり、まだ議論の途中です。

年齢以外の理由で、卵子の質が良くない人の共通点は?

一般的に言われているのは、肥満、やせすぎ、喫煙等。しかし、実際には個々人の差が大きいのも事実です。

採卵や高グレード胚盤胞ができない人へおすすめしているものは?

睡眠の質を高めること、バランスの良い食事、適度な運動、漢方、鍼灸、サプリメント

リラックスできて血流が良くなるものがいいでしょう。特に運動はおすすめ。

クリニックでおすすめしているサプリは?

DHEA 、メラトニン、レスベラトロール、ビタミンD 、亜鉛、ラクトフェリン

総合ビタミン剤を摂ったうえで上記サプリをおすすめしています。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。