卵胞の大きさから排卵日やタイミングを取る日はわかる?

岩見 菜々子 先生(神谷レディースクリニック)札幌医科大学卒業。2014年より神谷レディースクリニック勤務。日本産科婦人科学会認定専門医。日本抗加齢医学会専門医。
相談者 : みーぽこさん(32歳)先月から産婦人科に通っています。今日、「18㎜と7㎜の卵胞があるから1週間後に来てください」と言われました。前回は初めてのタイミング指導でリセットしてしまいました。今回は高温期でも体温が低く、高くなっても続かず、先生には「今回だけおかしいね」と言われました。高温期がない場合、ホルモン値の検査などはしないのでしょうか?排卵検査薬を使用したほうがいいでしょうか? 排卵日がわかったら、いつタイミングを取ればいいのでしょうか?

タイミング法は一般的にどんな検査や指導が行われる?

タイミング法は排卵時期を推定し、排卵の時期に合わせて性交のタイミングを取る方法です。排卵の数日前に超音波検査で卵胞の大きさをチェックするクリニックがほとんどです。卵胞が17㎜以上になってきた時、尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検査を行うクリニックもあります。

一般的には卵胞は14㎜前後を超えると1日1.5〜2㎜成長し、20㎜前後で排卵することが多いです。みーぽこさんの場合、18㎜なら2〜3日後が排卵。きちんと排卵しているかを確かめるため、1週間後に来てくださいと言われたのかもしれませんね。

先生のクリニックはどんな方法で排卵日を推定している?

排卵時の卵胞の大きさには個人差があります。特に卵子が多い多囊胞性卵巣の傾向がある方や排卵誘発剤のクロミッドⓇを服用している周期は25㎜以上など、大きめで排卵が起こることも。ですから、一周期で排卵の特徴をつかむことは難しく、当クリニックでは2〜3周期通院していただくなかで、月経周期や基礎体温表、卵胞の大きさや卵胞の消失時期などから、その方の排卵時期を推定しています。

市販の排卵検査薬を使用する場合、月経周期や卵胞の発育を考慮し、主治医と相談しながら検査の時期を決めるとよいのではないかと思います。

タイミング法で妊娠率が高いのはいつ?

卵から時間の経過とともに妊娠率は低下するといわれます。精子は2〜3日は卵管内で生存していますので、排卵より前にタイミングを取るのがよく、妊娠率が高いのは排卵前日、排卵当日、排卵前々日の順です。タイミング法は性交の少ないカップルには有効ですが、その日をめがけてタイミングを取るのは男性側に負担がかかることもあります。生理周期10日目以降から高温期になる頃まで2〜3日ごとに性交をするなど、あまり排卵日を意識しすぎないほうがいいですよと、当クリニックではお伝えしています。

タイミング法へのアドバイスをお願いします

不妊の原因は子宮内膜や卵管、または精子に問題があることも。カップルで基礎的な検査を早い段階で行い、異常がないか確認したうえで妊娠をめざしていくのがおすすめです。

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