超低AMH、合う刺激方法が見つからない~浅田先生

AMHが低く、治療の選択に迷います。排卵誘発方法はどんな形が良いのでしょうか?浅田レディースクリニックの浅田先生に聞いてきました。

浅田 義正 先生名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。

 

さつきさん(37歳)超低AMH(0.19)かつ大きなチョコレート嚢腫があるので、貯卵→手術→移植という予定で治療を進 めています。 

採卵を14回行い、貯卵は6個までできました。(胚盤胞、3日目胚×2、前核期胚×3) アンタゴニスト法、ショート法、クロミッド、レトロゾール、フェマーラ…色々な刺激方法を試してきまし たが、どれもキャンセル率(早期排卵・空砲含む)が高く、どれが合うのか未だに分かりません。 超低AMHでは、卵胞が育つ周期に何らかの刺激があればよくて、薬の種類は関係ないということな のでしょうか? 

また、私の場合はAMHに対して高刺激(アンタゴニスト、ショート、クロミッド毎日2錠)の時だけ採卵 できており、低刺激でとれたことがありません。この結果も、たまたま卵胞が育つ周期に高刺激を 行っていただけなのでしょうか?

大きなチョコレート嚢胞があり、既に一度、手術をされているということですが、

手術をすると更に原始卵胞の数が減少しますので、二度目の手術はされない方が良いと思います。私は、悪性でないことが分かって入れば、嚢胞内の血液を吸い取るだけで対応をしています。

また、主治医の方の考え方で、刺激法により卵が採れた、採れなかったと言われているのかもしれませんが、刺激法で採卵率が変わるわけではなく、卵が成熟した段階で採卵をしなければ上手く成熟卵を採ることが出来ません。ですから、高刺激が良い、低刺激が良いというわけではなく、卵巣予備能に見合った刺激をして、その上でFSH、LHの血中濃度を管理して卵を育てていくことが重要です。闇雲に注射を打てばよいわけではなく、ホルモンの血中濃度が高いのか低いのか、それを上げるにはどうしたらよいのか、またホルモンの血中濃度が上がりすぎていないか等を確認し、採卵していかなければ、非常に効率の悪い採卵になりますし、採れたとしても未熟卵ということもあり得ます。

ですから、成熟卵を採るために適切な治療を行うことができる施設で採卵すべきだと考えます。

刺激法を変えたら卵が採れるわけではありませんので、ホルモン値で判断しコントロールできる施設で治療することをお勧めします。

低刺激や高刺激という言葉は、私は好きではありません。

卵巣予備能に見合った調節卵巣刺激、その人にとって適切な刺激を行って成熟卵を採ることが卵巣刺激というものです。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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