移植を5回してきました結果が出ません

今後やるべき検査治療は

治療歴3、移植に5回臨んでも結果が 出ませ。サプリや漢方な、治療以外 でもあらゆる方法をやり尽くしたこのような場、治療のどの部分を見直 したらいいのでしょう。ま、これか らできる有効な検査はあ 両角レ ディースクリニックの両角和人先生にく わしいお話を伺いました。

両角レディースクリニック 先生 福島県立医科大学医学部卒業。ハワイ大学 医学部生殖生物学研究所留学、福島県立 医科大学産婦人科学講座助教、国際医療福 祉大学大学院講師などを経て、2012 年に 両角レディースクリニック院長に就任。患者 さんやスタッフなど「ご縁のある方を幸せに する」というのが信条。

さくらさん(41 からの相談 3年前より、閉塞性無精子症のため、精索静脈瘤の手術と TESE の後、ショー ト法で顕微授精を4回、移植を5回してきました。移植3回目で妊娠し ましたが、8週目で流産。先日、最後の胚盤胞5BC を移植し陰性でした。 医師からは子宮内膜炎の検査を提案されましたが、移植を5回してから検 査するものなのでしょうか。漢方やサプリ、運動などできる限りのことを やってきたつもりですが、今後どうすればよいですか?

さくらさんはこれまでずっとショート法

トライしてきたようです、この刺激法についてはどう思われますか。

両角先生●少し疑問を感じます。ショート法はオートマチックな方法なので個別の調整がききません。すぐ妊娠できる人は最初からこのやり方でうまくいくケースもありますが、なかなかうまくいかない人には難しい。当院がメインで行っている刺激法はアンタゴニスト法です。ショート法を採用するのは全体の5%程度で、ほとんど行っていません。アンタゴニスト法はアレンジがきくやり方で、お薬の量や入れるタイミングで採れる卵子の数も受精卵の質もまったく変わってきます。

さくらさんがうまくいかないのは卵子が未熟だからなのでは。もう少し踏み込んで成熟卵子をつくる努力をされたほうがいいと思います。今の方法ではおそらく、トリガー(卵子成熟)から採卵まで  35~ 36 時間かけていると思いますが、それを37時間くらいまでもっていく。また、HCGの注 射だけではなく、点鼻薬もかぶせてダブルトリガーにします。

こうして卵子の細胞質の成熟度合いを上げていくことが受精卵の質の改善にも大きく貢献。さくらさんのような方の場合、ホルモン値などを見ながらアンタゴニストのお薬の量や入れるタイミングを調整し、トリガーをギリギリまで引っ張っていくのが、刺激のポイントになるかと思います。

着床不、つまり子宮側の問題も考えらるのでしょう

そうだとすれ、この時期に検査するのは適切なのですか。

両角先生●反復不成功で良好胚を移植しても結果が出ない場合、刺激法のほかに精子側、子宮側の問題も考えられます。子宮内膜炎の検査は必要だと思いますが、スクリーニング的にもう少し早くやるべきだったと思います。

子宮側を調べる手段として現在、子宮内膜炎の検査やERAなどがありますが、それで確実に改善するという報告やエビデンスはまだあまり出ていないようです。

そこで、当院では新たな試みとして腹腔鏡と体外受精を組み合わせた方法を提案しています。卵管周囲癒着剥離や子宮内膜炎の焼灼はもちろん、卵管や子宮に病変がない方でも、卵管内や子宮内、腹腔内を大量の生理食塩水で洗浄することで、不妊の方に多い化学物質などが取り除かれ、環境が格段に良くなります。予想以上に手応えがあり、現在、データを蓄積中。このようにまだ手段はあるので、諦めないでいただきたいです。

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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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