多囊胞性卵巣症候群です。タイミングから人工授精、ステップアップはいつ?
相談者:ピーチさん(28歳)クリニックに通院して 7 カ月。2 カ月の検査を経てタイミング 療法を始めました。検査と内診の結果、多囊胞で排卵しづらい 体質とわかり、セキソビット® やクロミッド® を使用し、HCG 注 射をしています。注射 2 日後ぐらいには基礎体温が 36.7 度 以上になっているので、高温期はしっかりあると思います。今回、 妊娠しなければ、次から人工授精を提案されていますが、妊 娠率が 10%ほどしかないという記事を拝見し心配です。また、 体外受精のタイミングはいつでしょうか? 転院も迷っています。
PCOS(多囊胞性卵巣症候群)は、どのような治療を行いますか?
内田先生●PCOSは慢性的な排卵障 害なので、排卵誘発剤を使います。ピーチさんは、すでに内服薬の排卵誘発剤を使っているので、それが第1段階です。次の段階はゴナールエフ RHMGの注射薬を使うことだと思います。タイミング療法のポイントは、次の性交渉をいつするのか伝えてもらい、しっかり性交渉を行うことです。排卵日を 0日としてカウントした時、4〜5日前から可能性があるので、性交渉ので きる日に行い、回数を増やしましょう。
治療のステップアップのタイミングは?
内田先生●同じ治療を 周期、あるいは6周期行い、妊娠の可能性のある 過ごし方をしながら、それでも妊娠 しなかった時だと思います。特にPCOSの方の場合は、排卵誘発剤の 効果が十分にあったかどうかを評価 して、その周期に妊娠の可能性がな ければ、次の排卵誘発を行うことが 必要かもしれません。基本は3周期 が目安です。
人工授精から体外受精へのステップアップは、人工授精で妊娠が可能 ならと願いながら、やはりできないと判断した時に考えればいいと思い ますよ。体もコストも負担の大きさが全然違いますから。
ピーチさんは人工授精の妊娠率を心配しています。
内田先生●内田クリニックでは、20代は 10組中 3組が妊娠できる治療ですが、40代になると 10組中 1組以下 になります。1カ月に10組が人工授精をしたら1組が妊娠する確率です。 でも、同じ人が 1回、 2 回、 3 回とやっていって3 回目で妊娠したら3カ月目の 10組中の1組になります。人工授精の妊娠率が低いといわれている のは事実ですが、妊娠できるカップルは妊娠できます。
ピーチさんは 歳なので、そんなに 慌てて体外受精に進まなくてもいいの ではないでしょうか。これが38 歳だったら、ゆっくりはできないですけどね。
転院を考える際のポイントを教えてください。
内田先生●通うクリニックでやっていない治療があるからほかを紹介してもらうケース。あとは、生理がきた時に前の周期の問題点を話してもらえるのか、 今周期はどうしようかということを検討してくれることがなくなり、同じ治療が繰り返されるようになったら、転院を考えていいかもしれませんね。