高プロラクチン血症ではどんな症状が現れるの?原因は?治療法は?

高プロラクチン血症の検査はしたほうがいい? もし結果に問題があった場合の治療法について 秋山レディースクリニックの秋山先生にお答えいただきました。

秋山 芳晃 先生  東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病 院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医 院を継ぎ、不妊専門病院として新たに開業。O型・やぎ 座。夏休みは、毎年恒例で、那須高原で何もしない日々 を過ごしたという先生。「散歩がてら、お子さんと一緒 にトンボを追いかけたりして、自然の中でリフレッシュ。 また仕事に励みます(笑)」。
枕さん(主婦・30歳)からの投稿 Q.不妊治療クリニックに通って2 年、近々初めての人工授精をします。 これまでに1度、血液検査は受けましたが、高プロラクチン血症の検 査はしていないと思います。友人も検査していて、いろいろ調べても検 査している方が多いようなのですが、検査は必要でしょうか? 私は、 乳頭を強く押すと白いカスみたいなものが少量出ることがあり、高プロ ラクチン血症の症状ではと不安になってきました。どのような症状が 現れるのか、高プロラクチン血症の場合はどのように治療するのか教 えてください。

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症の検査は基本的には行うべきなのですか。
秋山先生 海外では一般的ではなく、またクリニックの方針にもよりますが、学会のガイドラインでは検査をすすめています。
当院でも必ず行う検査の1つです。
高プロラクチン血症とは、どのような疾患ですか。
秋山先生 プロラクチンとは、脳の下垂体から分泌されるホルモンで、乳腺の発達や黄体ホルモンの産生を促す、白血球を増やして免疫力を高める、発毛や皮脂腺の成長を促進するなどの大切な働きをします。
その一方で、排卵や卵胞の成熟を抑える作用があるため、プロラクチン値が基準を超えて高い高プロラクチン血症は、不妊症の原因となってしまうのです。

高プロラクチン血症の症状

枕さんは、乳頭を強く押すと白いカスのようなものが出るとのことですが、高プロラクチン血症の疑いは?
秋山先生 高プロラクチン血症では、産後でもないのに母乳が出るという「乳汁漏出 」の症状が現れることがあります。
明らかに漏出する場合から、刺激するとなんとなくにじむといった程度まで、症状には個人差があります。
また、生理不順や、排卵がうまくいかないという方には、プロラクチンの異常が見つかることがしばしばあります。
枕さんの場合は、念のため乳がんの検査も一緒にされるといいでしょう。

その原因は

高プロラクチン血症の原因は?
秋山先生 主なものでは、甲状腺機能の低下、多嚢胞性卵巣症候群などが挙げられますが、これらの検査はすでに済ませていると思います。
症例としては少ないですが、プロラクチノーマという脳にできる腫瘍が原因のこともあり、数値があまりに高い場合はMRI検査を行います。
また、意外な原因としては、一部の胃薬や精神安定剤によって数値が高くなることも。
問診では、たかが胃薬と思わずにすべて告げてください。
ストレスなどでも高くなる場合があり、注射が苦手な方は採血で数値が上がることもあります。
プロラクチンの数値は1日のうちでも変動が激しいので、一度の採血で基準値より下でも、疑わしい場合はTRH荷試験という脳下垂体を刺激するテストをすることもあります。

治療法について

高プロラクチン血症の治療法は?
秋山先生 ドパミンアゴニストという内服薬の使用でプロラクチンの分泌を抑えます。
吐き気や便秘などの副作用があることもありますが、テルロンⓇ、パーロデルⓇといった毎日服用するもの、カバサールⓇという週に1度服用するものなど数種あるので、副作用が強く出る場合は薬を代えて様子をみるといいです。
高プロラクチン血症によって着床がうまくいかずに流産をくり返すケースでは、経過をみながら妊娠6週目くらいまで処方します。
胎児には影響がないので安心してください。
※多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):慢性的にアンドロゲン(男性ホルモン)が過剰な状態にあり、排卵がうまくできない原因不明の疾患。卵巣内にたくさんの小嚢胞がある。排卵障害、不育などがみられる。
※TRH負荷試験:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を投与して、プロラクチンや甲状腺刺激ホルモンの分泌機能を検査する。

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