着床障害
ARTにおいて、良好な受精卵(胚)を複数回移植しても妊娠が成立 しない状態です。
原因は胚側とそれ以外に大別されます。まず胚側の原因として、染色体異常(胚の染色体異数性)と胚の質や機能性が挙げられます。
染色体異常の発生率は、女性の年齢が上がるほど高くなります。
ほかには、子宮の器質的問題である子宮内膜ポリープや子宮筋腫(粘 膜下子宮筋腫)、子宮腺筋症、子宮内膜癒着、慢性子宮内膜炎などが 原因として挙げられます。
また卵管留水腫により貯留した分泌液が 子宮内腔に逆流し、着床を妨げることがあります。
この他に血液凝固異常も着床を妨げるとされています。
最近、子宮内受容能(ERA)検査により「着床の窓」のずれがわか るようになり、また子宮内フローラ検査によりラクトバチルス(乳 酸菌の一種)の量が着床に関係していることがわかり、これらを治 療することで着床率が向上していきます。
小林 淳一 先生
小林 淳一 先生 慶應義塾大学医学部卒業。1984年より習慣流産の研究と 診療に携わり、1989年より済生会神奈川県病院において IVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母 と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003 年、神奈川レディースクリニックを開院する。
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