うにさん(31歳)
回数重ねてきて、今回はPGT-Aも不育症検査もして異常がない状態だったのに流産でした。
PGT-Aを受けていても他のところに染色体異常があるのか、私自身に育てる力がないのか、移植するのが怖くなってきました。
今まで受けた検査や治療以外で、他に推奨される検査や治療、薬があれば教えていただきたいです。
また、何か私ができることもあれば知りたいです。
広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
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ART開始は28歳頃と思われ、年齢的には保険診療でARTを開始されたこと自体に大きな問題はなかったと考えられます。
これまでの経過としては、初回採卵で得られた5個の胚盤胞を3回に分けて凍結融解胚移植され、そのうち1回が流産となっています。さらに、2回目の採卵後には2回の移植を行い、1回が流産という経過だったとのことです。
流産を繰り返されたこともあり、その後はPGT-Aを目的として採卵を行い、PGT-Aで正常と判定された胚を移植されたものの、結果として妊娠9週で稽留流産となったとのことでした。
PGT-Aで正常と判定された胚であっても、今回の胚は⑤BCとやや形態的な評価が低めであったため、発育の途中で細胞分裂が継続しなかった可能性も考えられます。
また、PGT-A正常胚であっても流産に至ることはあるため、可能であれば流産組織の染色体検査で異常の有無を確認しておくことは有意義と思われます。
年齢やこれまでの治療経過を踏まえると、PGT-Aを実施していない胚盤胞移植であっても、年齢的には異数性胚の割合は比較的低いと考えられます。そのため、受精卵側だけでなく、母体側、特に子宮側の因子についても検討する必要があるように思われます。不育症に関する検査もすでに受けておられる可能性があります。
これまでに、子宮鏡検査、卵管造影検査、Th1/Th2、子宮内フローラ検査、ERA検査、ご夫婦の染色体検査を受けられ、いずれも大きな異常はなかったとのことですが、追加で確認できる項目としては、NK細胞活性の評価も一つの選択肢かと思われます。
また、これまでの移植はホルモン補充周期で行われたのか、あるいは自然排卵周期で行われたのか、あわせて移植周期中のホルモン値に問題がなかったかも確認できるとよいと思います。
さらに、子宮筋腫や子宮内膜症を指摘されたことがあるかどうかも重要です。もしそのような所見がある場合には、移植前にリュープリンによる前処置が有効となる場合があります。

移植周期において、流産予防の観点からどのようなお薬が使用されていたかも確認したいところです。
たとえば、バイアスピリンなどの血流改善を目的とした薬剤、柴苓湯などの漢方薬、プレドニンなどのステロイド薬の併用が有効な場合もあり、主治医と相談のうえ検討してみる余地はあると思います。
体重については、BMIが17.5とやや低く、やせの範囲に入ります。肥満の場合だけでなく、やせの場合にも妊娠率や出産率に影響することがあるため、可能であれば体重を少し増やすことも大切と思われます。理想的にはBMI 20程度、体重では52~53kg前後が一つの目安になりますので、無理のない範囲で少しずつ体重増加を目指してみてはいかがでしょうか。
日常生活では、適度な運動を取り入れることもおすすめします。運動によって全身の血流改善が期待できますので、少し息が上がる程度の運動を週3回ほど続けてみるのがよいと思われます。