【Q&A】ERA済でも妊娠せず…他にできる検査は?~重富先生【医師監修】

もりさん (35歳)

凍結胚盤胞移植を4回、全部で6個良好胚を移植しましたが、全く妊娠できていません。
可能性のある検査は行い、検査の結果が悪ければ医師の指示に従い治療も行ってきましたが結果が出ず。
5回目の移植はERA検査の結果で出た周期ではなく、今通っているクリニックの通常の周期でやってみないか?という事になっていますが、ここまで結果が出ないと自分の身体に問題があるとしか思えません。

何か他にできる検査や、可能性のある病気などはないでしょうか?

重富先生に聞いてみました。

【医師監修】ASKAレディースクリニック 副院長 重富洋志 先生
2003年、奈良県立医科大学卒業。星ヶ丘厚生年金病院、奈良県立医科大学で産婦人科医の経験を重ね、2017年よりASKAレディースクリニックの副院長として従事。患者様が納得して治療を進めてもらえるような診療がモットー。患者様の生活スタイルに合わせた診療を行い、土日祝だけでなく、夜は20時まで受付時間を設けている。生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医。趣味はマラソン。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

まず、詳細な治療歴をお示しいただきありがとうございます。検査・治療のひとつひとつに丁寧に向き合ってこられたことが伝わってきます。たくさんの希望と不安の中で治療を続けてこられたと思います。その努力に心から敬意を表したいと思います。

これまでの治療について、4BB〜4AAの良好胚を6個も移植していながら、すべてhCGが5以下というのは、着床すら成立していない「完全な陰性」の状態といえます。このようなケースでは、「胚の染色体異常(胚側の要因)」か、「子宮環境の問題(子宮側の要因)」、あるいは両方を慎重に見直していく必要があります。
可能性のある要因と次に考えられる検査・治療について述べます。

1. 胚の染色体の異常(PGT-Aの検討)
胚の形はとても良くても、中には染色体に異常がある胚もあります。これは見た目では分かりません。PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)によって、胚の染色体の数を調べることで、「着床しやすい胚」を選ぶことができます。この検査は、検討されても良いと考えます。

2. 免疫的な要因
Th1/Th2比は正常とのことです。その他にもNK細胞活性などが考えられますが、エビデンスはTh1/Th2比より低くなるため、強くお勧めする検査ではありません。

3. 慢性子宮内膜炎
すでにラクトバチルスの改善が見られたとのことですが、完全に炎症が消えているかどうかを再確認する意味で、CD138免疫染色による病理検査などを行う施設もあります。

4. 子宮の着床環境・子宮内膜の形態的問題
癒着がないかどうか、子宮鏡検査で確認することも検討されます。
子宮内膜の厚みや血流の状態なども影響する場合があります。例えば、排卵周期移植の方が内膜が安定することもあります。

5. 移植タイミングの再検討
ERA検査で「着床の窓」のズレが指摘され、修正された上での移植も行われていますが、ERAの結果は周期やホルモンの投与量によって変わることがあります。クリニックで「通常のスケジュール」での移植を勧められているのも、自然に近い状態でうまくいく可能性を探っての提案かもしれません

以上より、PGT-Aは検討できると思います。
また、これまでホルモン補充周期での移植を行っておられるので、子宮内膜へのアプローチを変える意味で、排卵周期での移植を検討されてはどうでしょうか?
採卵周期では、卵巣からエストロゲンプロゲステロンだけでなく、さまざまな微量なホルモンが分泌されると言われています。その微量なホルモンが内膜に作用し、着床環境が改善される可能性があります。
一度、担当の先生と相談されてはいかがでしょうか?
妊娠する可能性はまだ十分に残されています。治療の継続が苦しく感じる時もあると思いますが、どうか希望を持って進んでいってください。応援しています。

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