【Q&A】生殖医療における産科合併症について~浮田先生

wwさん(33歳)  
私は助産師をしています。自分自身、去年から不妊治療を開始しました。
1回目の採卵で顕微授精にて胚盤胞1つ凍結保存しています。
働いているなかで、凍結胚移植された方で妊娠経過に異常はみられなくても分娩後に癒着胎盤だったケースに数例出会いました。
私自身、今後胚盤胞を移植するにあたりそのリスクは覚悟していますが、こうした産科合併症のリスクを少しでも下げる方法はありますか?
私自身、生理周期は安定しており排卵障害やホルモン異常はありません。

浮田祐司先生に伺いました。

リプロダクション浮田クリニック 浮田祐司先生   兵庫医科大学付属病院、府中病院、兵庫医科大学篠山病院に勤務後、兵庫医科大学付属病院 産婦人科の助教に。英ウィメンズクリニックで不妊専門医療に携わった後、2020年開院。一般不妊治療から高度生殖医療までクオリティの高い治療を提供する県内有数の施設として、妊娠から出産まで手厚くサポート。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

凍結融解胚移植後の妊娠における産科合併症は、妊娠高血圧症候群等が増加すると報告があります。特に、ホルモン補充周期での凍結融解胚移植が産科合併症を増加させる可能性が示唆されています。しかし、癒着胎盤のリスク増加因子は、子宮内操作の既往や帝王切開術の既往があげられるため、直接的に凍結融解胚移植が要因となるかは、はっきりしていません。

産科合併症の増加に関しては、排卵周期の方がホルモン補充周期と比べると低いとの報告があります。質問者様は月経周期が安定されているようですので、排卵周期での移植を検討されるのが良いと思います。

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