【Q&A】排卵日とG.Wが重なりそうです。~稲垣先生【医師監修】

ぽんすさん(27歳)
治療で長期連休を挟むので、移植日の予測がつかず質問しました。前周期に採卵し、今はお休み周期です。ピル(ジェミーナ)を3/27(D5)から服用しており、4/13からブセレリン点鼻薬を処方されています。通常、ジェミーナを飲み切って3~5日で月経がくるとのことで、4/19~21あたりにリセット→移植周期に入ると思っています。そうすると、排卵日がちょうどGWのお休みに被ってしまいます。
点鼻薬を使っていれば、排卵せず、排卵日をずらせるのでしょうか?
点鼻薬を処方されているということは、GWに対し排卵日をずらすということでしょうか?
このまま行くと、GW明けの通院はD19~21になりそうで、そこまで排卵をずらして移植できるのか、その場合はもう1周期見送るのか知り
たいです。また、通常D13あたりで卵胞を確認し、採卵のトリガーを打つと思いますが、もしその期間がGWに被っている場合、事前にトリガーを処方され、D13~15付近に自分で打つという可能性もありますでしょうか?
帰省の関係もあり、予定を知りたく…
申し訳ありませんが、ご回答頂けますと幸いです。

【医師監修】いながきレディースクリニック 稲垣 誠 先生 
1994 年、浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院、鹿児島市立病院、聖隷沼津病院などで産婦人科医の経験を重ね、2012 年、不妊治療専門施設「いながきレディースクリニック」を開院。「お一人ひとりに寄り添いながら、それぞれの患者さまに合った最適な治療を心がけています」

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
点鼻薬を使っていれば、排卵せず、排卵日をずらせるのでしょうか?
ジェミーナ内服;21日間+ブセレリン点鼻;ジェミーナ終了4日前から開始。
この服用法は一般的にはロング法採卵周期の処方かと思います。
ジェミーナ服用終了後もブセレリン点鼻を継続し、月経開始したら(一般的には)3日目からブセレリン点鼻継続したまま卵巣刺激を開始する;これがロング法の排卵誘発方法です。
なので、質問者さまの現状(凍結卵2つあり)と合致しない点があり、保険診療での体外受精胚移植では凍結受精卵がある場合は胚移植が計画されますので、私には正直言うとブセレリン処方の意図がわかりません。
これについては主治医の先生に聞かれるのが一番かと思います。
月経をずらして胚移植を計画するのであれば、プラノバールやフリウェルなどの内服役の服用期間を前後させて調節するのが一般的ではないでしょうか。
ブセレリン点鼻薬を月経時期の調節に使用するのは少なくとも私は経験がありません。ブセレリンは服用期間によって月経再開のタイミングの予測が困難なのがその理由です。実際、子宮内膜症などで6か月間服用された場合など、月経再開に1か月以上かかる場合もあります。

凍結胚の融解胚移植には2通りの方法があって、排卵周期:実際に排卵させ、その周期に合わせて融解胚移植する方法と、ホルモン補充周期:月経開始したら卵胞ホルモン剤を開始し、排卵期と同等の子宮内膜厚やホルモン値に達したことを確認し、黄体ホルモンの投与を開始、(一般的には)黄体ホルモン開始5日目に融解胚移植を行うという方法です。

質問者の方がどちらの方法での胚移植が計画されているか私にはわかりませんが、どちらの方法においてもブセレリンを連続的に点鼻することはありませんので、胚移植法におけるブセレリンの位置づけはわかりません。排卵周期の胚移植の場合、排卵刺激(いわゆるトリガー)として一時的に点鼻する方法があるといえばありますが。

●事前にトリガーを処方され、D13〜15付近に自分で打つという可能性もありますでしょうか?

これについては私は否定的です。排卵は、その直前まで卵胞発育やホルモンレベルの計測をしなければ卵胞の成熟は判断できません。何日も前にトリガーのタイミングがわかるはずもなく、いわば当てずっぽう的なトリガー実施は現実的ではないように思います。少なくとも当院ではそういう運用はしていません。
連休に排卵期が重なるようであれば、前述のような方法を用いて月経開始時期を調節し、然るべきタイミングに受診可能な日程で計画できるようにしています。
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