【Q&A】人工授精前は禁欲すべきか数を重ねるべきか…~浅田先生【医師監修】

まなさん (26歳)
タイミング6回を経てダメだったので人工授精をします。26、27日が排卵予定日ですが、病院は休日や自分たちの仕事も重なり、27日の夕方まで診察に行けません。このようにタイミングが合わせにくいときも含めて、人工授精まで「禁欲した方が濃度が上がるのでいい」という意見と「数を重ねた方がいい」という意見があり、どちらを信用するべきかわからず困っています。実際はどうなのか、人工授精に向けてどう気をつけたら妊娠率が上がるか知りたいです。

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

ヒューナーテストを2回され、抗精子抗体は陰性ということですが、ヒューナーテストは子宮の頸管粘液の性状に大きく影響をうけるため、現在では、この検査は海外の教科書に掲載されていません。当院でも、かなり前からヒューナーテストは行っていません。ヒューナーテストの結果が不良ということですが、抗精子抗体検査の結果が陰性ということでしたので、問題ないと思います。
卵管検査は、一般的にクラミジア等の感染症がなければ卵管が詰まることはありませんので、無理に検査をしなくても問題ないと思います。
精子は卵管に入れば通常3日程度は生存していますが、なかには卵管で5日生存していたというデータもあり、排卵日当日に、人工授精をしなければならないということはありません。様々なデータがありますが「排卵日2日前が一番妊娠率は高く、排卵日当日はむしろ妊娠率が低い」というデータがあるということを知ってほしいと思います。「禁欲した方が濃度が上がるのでいい」という意見についてですが、3日以上禁欲すると精子の運動率が下がるだけですので、意味がなく、人工授精の際に気を付けること等も特にありません。
不妊治療はクリニックや医師により治療方法がちがうため、人工授精、精子の処理もクリニックや医師により違います。なるべく迷うことがないよう、エビデンスに基いた治療を行う、レベルの高い不妊治療専門のクリニックで治療を行うことが妊娠率を上げることに繋がると思います。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。