【Q&A】3つの膣錠を併用しても大丈夫ですか?~向田先生【医師監修】

ねこさん(38歳)

ホルモン補充の移植時に膣錠ルティナスを処方されました。
TORIO検査でラクトバチルス菌が少ないとの事で、インバグも2回目の移植周期から処方されました。
ネットで色々調べてみると、ラクトフローラフォルテという膣錠も良いと書いてあったので、次回移植する時に使ってみようと思っているのですが、ルティナス、インバグ、ラクトフローラフォルテの3つの膣錠を併用して使っても大丈夫なものでしょうか?

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

質問にある3つの製剤を併用するのは、理解に苦しみます。

ルティナスは天然型P4製剤ですので、黄体補充としては必要ですが、インバグとラクトフローラフォルテは 共にラクトバチルス製剤なのでどちらか一つで十分と思われます。

また融解移植方法を、外因性ホルモン投与だけでなく、排卵確認周期で行うなどの工夫が必要と思います。検査は受けても検査結果だけ得るのみで着床率を高めてくれるわけではないので、38歳の反復不成功に必要なのはPGT-Aを施行して、染色体異数性のない正常染色体背景の胚盤胞を移植するのが最も重要です。

5回移植して結果も出ず、適切な説明もなく、似たようなことをするだけであればその施設から転院して、形態良好でPGTを併用して移植可能胚を適切に早期に得るようにしてくれる施設を見つけるのが年齢的にも重要ではないでしょうか

妊娠出産する際に一番重要なのは受精卵でありそれが出生児につながります。38歳であれば時間的にも早期に出産に至る提案を行ってくれる施設を見つけるべきと思います。

子宮内の乳酸菌環境の状況よりもっと重要に考慮する項目があるのでは?枝葉末節の対応に無駄時間を費やしている不妊に迷う患者が多いのが現状です。30歳後半なら、早期にART医療を行い、早期に結果を得るようにするART医療専門施設で対応を受けるべきです。不妊治療に検査はほんとに必要ですか?卵と精子から受精卵が得られ、子宮に着床するように早期に行うことが最も重要ではないかと思います。

地球上には80億人以上の人類が検査等も考えず自然妊娠しているのが通常で、適切に対応すれば妊娠するはずであり、それに一番重要なのは無駄な時間を浪費しないことです。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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