【Q&A】貧血について~大野田先生

貧血で、鉄分が不足しています。

アメリカでのデータによると、妊娠をお勧めしない数値みたいです。

大野田先生に、聞いてみました。

大野田先生 東京慈恵会医科大学 医学部医学科 卒業、東京慈恵会医科大学附属 柏病院、東京慈恵会医科大学附属病院、国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター、茅ケ崎市立病院 産婦人科、東京慈恵会医科大学附属 第三病院、獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター、 産婦人科、遺伝カウンセリングセンター、みなとみらい夢クリニック、2022/3/1 新規医院開設「おおのたウィメンズクリニック 埼玉大宮」同年4/27開院予定。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
くまさん(39歳) 
1月に人間ドックの再検査で貧血を調べたところ、フェリチンが3ngでした。
そこから鉄剤を飲み、2月末には14まで改善しましたが、ネットなどで調べると、30はないと、胎児に影響が出る、また産後に影響があるのでアメリカなどでは30以下は妊娠を勧めない、ともありました。
今月、3回目の人工授精にトライしようと思っているのですが、胎児に影響があるかもしれないのであれば、30以上になるまで体を治してからの方が良いのか悩んでいます。
年齢的にも1月でも早く、またチャンスを逃したくないのですが、30以上ないとやはり流産や胎児への影響が大きいのでしょうか。
1人目妊活で、一年前に稽留流産しており、そこからなかなかできません。
よろしくお願い申し上げます。

貧血と妊娠には深い関係性があります。鉄は胎児に酸素を運ぶ赤血球を作り出すのに重要で、鉄不足による貧血は赤ちゃんの胎内環境を悪くするため、妊娠しにくくなると言われています。

体内の貯蔵鉄を意味する”フェリチン”を目安に、30以下だと妊娠しにくいというデータもあります。

ただし、鉄欠乏性貧血が、胎児に先天異常といった影響を及ぼすといったデータはございませんし、流産を増やすことはありません。

しかしご年齢が上がると、流産率は高まります。貧血改善まで不妊治療を中断するのではなく、鉄剤やサプリメントを服用しながら、不妊治療も同時並行で早めに進めていくことが、大事だと思います。

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