【Q&A】移植か採卵か~岩見先生

めいさん (41歳) 
保険適用時に、人工受精2回で陰性となり、体外受精にステップアップ。1回の採卵で11個、体外で4個、顕微で5個受精したものの、凍結できたのは顕微のみで、3日目の胚8G3と5日目の胚4BB.2つ、4CB、1つを凍結しました。5日目の胚を全て移植しましたが、4BBで稽留流産、他は陰性でした。
先日2回目の採卵をし、9個採卵のうち、全て顕微受精しましたが、6日目の胚で4BB、1個しか凍結出来ませんでした。採卵と、同時に子宮内の免疫とフローラ検査をしましたが、共に問題なく、次は凍結した胚を戻すか、さらに採卵をした方が良いか迷っています。pgt-aをした方が良いかも気になります。ご意見を伺いたいです。

神谷レディースクリニックの岩見先生に聞いてきました

神谷レディースクリニック 岩見 菜々子 先生
札幌医科大学卒業。2014 年より神谷レディースクリニック勤務。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産科婦人科学会認定専門医。日本抗加齢医学会専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●6日目BLの4BBは、グレードの低い胚なのでしょうか?
6日目と5日目は妊娠率があまり変わらないと言われています。胚の形態評価はあくまで培養士の視覚的評価に委ねらるため、施設毎に妊娠率が違います。当院では6日目のBB胚の場合、41歳という年齢もありますが30%以上の妊娠率は期待できると思います。一般的に41歳の場合、胚盤胞でも60%は染色体異常があるとする報告もありますので、30%以上の妊娠率は決して低い方ではないです。

●先生であれば、この胚を移植せずに再び採卵を勧められますか?

基本的には4BBがありますので移植を提案しますが、保険適応内での治療を強く希望される場合は保険適応回数があと1回しかないなど条件として限られている場合、先に採卵も選択肢になると思います。

●PGT-Aの適応になりますか?

PGT-Aの適応については日本産婦人科学会のサイトに適応について詳しく記載されており、そちらを参考にしていただくのが一番分かりやすいかと思います。動画を見ていただけたらとメリット、デメリットについてもより理解しやすいはずです。流産が1回の場合にはPGTーAの適応はありませんが、直近2回の胚移植で妊娠反応が陰性であれば自費でのARTの場、PGT-Aの適応となる可能性があります。

●治療のアドバイスをお願いします。

流産歴があるということは妊娠できる力はあるということですので、子宮内フローラも異常がないことからPGT-Aにて胚の選別をした場合、流産率の低減、または移植回数を少なくできるといったメリットがあります。
もし自費での治療が選択肢であればPGT-Aについて相談できる施設でARTに関して相談をしてみることも選択肢ではないでしょうか。
めいさんがより早期に妊娠継続できることを願っております。

 

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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