【Q&A】体外受精6回目に向けて~井上朋子先生【医師監修】

Sakiさん(37歳)

今まで採卵1回、ホルモン補充で良好胚の移植を5回しましたが、PRPを注入した4回目のみ化学流産で、それ以外はかすりもしませんでした。残りの凍結胚盤胞は6日目4ABのみです。次回は採卵して初期胚と胚盤胞の凍結を目指し、自然周期の2段階移植を試みる提案をいただいています。

質問は4点ございます。

①全て良好胚だったので、PGT-Aをすべきでしょうか?その場合、夫婦染色体検査を事前にすべきでしょうか?この検査がなくてもPGT-Aは可能と聞いており、早く治療を進めたい気持ちがあるため、染色体検査は不要であればやらずに進めたいと思っています。

② ホルモン補充での移植しか経験がないのですが、次回の採卵は一度子宮を休ませる方が良いのでしょうか。

③卵管水腫の疑いで、卵管切除すべきでしょうか。

④それ以外にできる検査、または施術はありますでしょうか。

井上先生に聞いてきました

【医師監修】井上 朋子先生  大阪大学医学部卒業。平成11年カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員勤務。IVFなんばクリニック勤務、副院長。平成26年 HORACグランフロント大阪クリニック勤務、副院長。医学生の頃、帝王切開術での出産シーンに感動し、産婦人科医になることを選択しました。命の誕生と家族の喜びに関わることのできるこの仕事が大好きです。分かりやすい説明と、温かい診療を心がけています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
良好胚を多数回移植しても着床に至らずとても残念ですね。
以下の回答が参考になれば幸いです。
質問①
PGT-Aについて日産婦のガイドラインで示された「反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦」に相当するため、遺伝カウンセリングなどの手続きを経て、PGT-Aの内容をご理解されたうえで希望すれば受けられます。夫婦の染色体検査は必須ではありません。
質問②
ホルモン補充周期凍結融解胚移植の場合は、卵胞発育は抑制されていることが多いので、ETの翌周期に採卵のために排卵誘発をすることは通常問題ないと思います。クリニックの方針で前周期にピルを使用する(治療を休む)場合もあるかもしれませんが。
質問③
卵管水腫があると着床率は低下します。流産率も上がると言われています。反復不成功の患者さんで、他に着床障害の原因がなく卵管水腫と診断されている場合は卵管切除をすすめることが多いです。
質問④
二段階胚移植、自然周期凍結融解胚移植なども試してみるのも良いと思います。治療がうまくいかないと、焦ったり、イライラしたり、感情のコントロールができなくなる方も多いです。治療の辛さを家族やカウンセラーに聴いてもらったり、鍼などの施術を受けたり、軽い運動などでストレスを発散できるようにできるといいですね。
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