20 代から月経過多に苦しみ通院クリニックは5カ所以上

信頼できるドクターと出会い、ストレスなく治療に向き合えました。
月経過多に苦しみながら3年間の妊活を経て第一子を2021年1月に出産。AMHが低いことを考慮し、第二子は最初から体外受精と決めて22年10月から妊活開始。その決断が功を奏し、3カ月で結果を出すことができました。

月経過多の自分が妊娠できるか心配だった

Mさん(35歳)は2017年、29歳の時に大学時代の同級生だったOさんと結婚。翌年には子どもが欲しいと思い始めます。ただ、M さんには一つ懸念がありました。20代からずっと悩まされてきた月経過多のことです。何度も婦人科へ通い、がん検診も受けましたが毎回問題はなく、「ホルモンの乱れかも」と言われ、経過観察になることが多かったそう。

そんな自分が妊娠できるんだろうかと思いつつ、自己流でタイミングを取り始めます。案の定、半年経っても結果が出ませんでした。そこで病院へ行き、指導を受けることにします。

「最初に受けた検査で腫瘍マーカーC A 1 2 5 で高い数値が出て、子宮腺筋症かもしれないと医師に言われました。でも、漢方が処方されたものの、タイミング法から始めましょうと。子宮腺筋症かもしれないのにタイミングを続けていていいのかなと心配になり、3カ月で転院を決めました」

ところが、「子宮腺筋症かもしれない」と伝えるといくつかの病院で受診を拒否されました。

「ある病院の方からまずはMRIで詳しく調べたほうがいいとアドバイスを受け、地元の総合病院へ行き、子宮腺筋症でないと判明。追加検査で子宮ポリープがいくつか見つかり、3カ月後に入院して全身麻酔の手術で取ってもらいました」

子宮内膜炎を治療してすぐに妊娠

その総合病院では不妊症の治療をしていなかったので、不妊外来のある大学病院を併診。いくつか検査を受けたところ、AMHが0・63と低いことがわかりました。また、ポリープを除去した跡を診てもらうと、「これは子宮内膜炎。根本治療しないとまたポリープができる」と診断されました。

「画像を見せてもらいましたが、子宮内が真っ赤に充血して毛羽立っていて。これでは着床しないよなと納得したほどでした」

子宮内膜炎の治療は抗生物質のみ。しばらく服用し、子宮内の状態を確かめる検査を受けに行ったところ妊娠が発覚。残念ながら8週目で流産してしまうのですが、3カ月後に妊娠。

「ちょうど妊活を始めて3年。他の人よりは全然早いほうだと思いますが、月経過多が長かったせいかようやくという気持ちでした。その後、月経が始まった時、量が減り、期間も15日ぐらい続いていたのが10日ぐらいになってラクになりました。不妊の原因はポリープだったのかなと私は思っています」

第二子妊活は体外受精から開始

21年1月に生まれたK君が1歳になった頃から、Mさんは第二子妊活を開始。最初は自分たちでタイミングを取ってみたものの、結果は出ません。「これを続けていても時間の無駄になる」と思ったMさんは、22年10月から不妊専門クリニックへ通うことに。

「Kの時に通院していた大学病院は、ちょうど保険適用になったタイミングだったのもあり、混雑で新規の予約を停止していました。それで大学病院の時に一度お世話になった先生が開院したクリニックを見つけて、そちらにしました」

低A M H が気になっていたので、第二子妊活は体外受精からスタートします。

「1人目の時は費用が気になって体外受精に踏み出せなかったのですが、保険適用で治療費が下がったことが大きいです。自分の年齢も考えてのことでした」

排卵誘発はショート法で9個の卵が採れました。胚盤胞になったのは2個でその1つが移植に成功、陽性になりました。

自然妊娠の第一子のほうがつらかった

「第二子は短期決戦だ」と思っていたものの、まさか1回の採卵と1回の戻しで妊娠できるとは予想していなかったそうです。

「体外受精は8時間おきの点鼻薬や経腟剤、毎日の注射など、わずらわしいことがたくさんありましたが、確実に前へ進んでいるという実感がありました。それより1人目の時のほうが、タイミングで試してもまったくかすりもせず、生理がくるたびに喪失感に襲われていました」

第二子を妊活3カ月で妊娠できたのは、心の安定をもたらしてくれる医師との出会いが大きかったと言います。

「いくつもの病院へ通ってきましたが、第二子のクリニックの先生は一番話しやすく信頼できました。『もし、今回うまくいかなくても、任せておけば大丈夫』と思わせてくれた。ほかの病院は『本当にこれでいいのかな』と不安に思いながらの通院で、それがストレスでした」とMさん。相性の良い、信頼できるドクターに出会えるまでどんどん病院は替えたほうがいいと実感しています。

環境に恵まれていても妊活中はネガティブに

Mさんの勤務先は医療関係。不妊治療の経験者が何人かいたこともあり、治療状況についてオープンに話していたそう。Oさんも医療従事者で、治療の進捗などすぐに話していました。それだけ恵まれた環境にあっても妊活中はふいに負の感情が出てきてしまうものだったと振り返ります。

「特に1人目妊活の時は夫が子ども好きなのを知っているだけに、『子どもができなくてもこの人は一緒にいてくれるんだろうか』とずっと不安でした。『もちろんだよ』と言ってくれても本当かなと疑ったり」

また、こんなにつらい思いをしてまで自分は本当に子どもが欲しいのかと何度も考えたそう。

「それでも欲しいと思えたんですよね、私。自分でも意外でした」

妊活中はいろいろな感情、気持ちが飛び出します。それらとどう向き合うかが大切なのかもしれません。

M さんの「ジネコ」活用方法

「ジネコ」は、実体験が盛りだくさんですごく参考になるし、励まされます。ドクターたちの記事もきめ細かく書かれているので、待合室でずっと読んでいました。その直後、診察室に入ると先生の言葉がとても理解できるんです。「ハイハイ、それさっきジネコで読みましたよ」と心の中で何度もつぶやいていました(笑)。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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