左右の囊胞が直径60㎜を超えています。 チョコレート囊胞の治療について

はなさん(37 歳)左右卵巣に60mm超えのチョコレート囊胞があると診断。さらにCA125(卵巣がん、子宮体がんに特異性が高い腫瘍マーカー)が145 U/ml となり、主治医から手術も考慮すべきと言われました。この状態で採卵をする場合、リスクは高いのでしょうか? 

大島クリニック 大島 隆史 先生 自治医科大学卒業。1982 年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3 年間研修後、県内の地域病院の1 人医長として4 年間勤務。1992 年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999 年、大島クリニックを開設、院長に就任。

大島先生●チョコレート囊胞とはいわゆる子宮内膜症の一つなのですが、これがある場合、卵巣の予備能が低下して卵胞数やいわゆる成熟卵が減ったりするので、卵子にとってはとても迷惑な病態です。

採卵は腟から針を入れるので、腟側に卵胞があれば採卵できます。しかし内膜症側にあると、内膜症囊胞に針を通すことで感染の原因にもなります。

またCA125 は癒着の程度を示します。月経時に検査すると数値が高くなるのですが、そうでなければ145 U/ml という数値はとても高いです。45 歳以上の方で6cm以上の囊胞は癌になりやすいというデータもあります。いずれにしても手術を先に行ったほうがいいでしょう。

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