【Q&A】採卵時期について~浅田先生

oliveさん (43歳)
2020/11~通院開始 AMH0.04
低刺激法にて採卵・顕微授精にて対応中。
41歳の時に貯卵でき凍結しているのは2個。移植は1度しましたが着床しませんでした。
FSHは40~70と高値にて、プレマリンを服用しないと卵胞がうまく育ちません。(プレマリンを服用するとFSH20まで下がります)
2023/4時点で夫:43歳6か月、本人:43歳10か月、42歳からは採卵1~2個できても分裂か遅かったり、途中で止まったりと凍結できず。ここ半年ほど採卵迄いかない状況もあり、そろそろ治療も厳しいのではと悩んでいます。自由診療での対応が続いているため、正直、金銭的にも厳しくなってきているのも事実です。いつまで採卵・貯卵できるのか、個人差があるとは思いますが一般的な助言を頂けるとありがたいです。

浅田先生に聞いてきました

浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

43歳でAMHが0.04の方です。

低刺激で採卵をしているとのことですが、低刺激だからよい、高刺激だからよいという話ではありません。

卵子は排卵の半年前から育ち始めていますが、AMHが0.04のため、育ち始めている卵子はパラパラと数が少ないです。

注射剤を使った卵巣刺激をしても、注射の費用に見合っただけの卵子が採れないので飲み薬中心の刺激をしていると考えるべきです

刺激には卵巣予備能に合わせた適切な刺激しかないと、まず認識を変えてほしいと思います。

FSHが高値のためプレマリンを服用とのことですが、プレマリンに含まれる卵胞ホルモンで検査で検出できるエストロゲンは17%程しかなく、女性ホルモンの状況をよく観察できないため、このような場合、私はプレマリンを使っていません。

卵巣の機能が低くなり、卵胞ホルモンの値が低くなったために、その反動としてFSH・LHが高くなっています。
卵胞が半年かけて育つ内、後半の3ヶ月はホルモン依存のためFSH・LHが高くなりすぎると、卵胞が途中でしぼんでしまい育ちません。

FSH・LHを適切にコントロールするためにエストロゲンや他の薬剤を駆使して、上手く育てていくというのが医師の力量です。
当院では10年以上前からこのようなコントロールをして、数少ない卵胞を上手く育てる工夫をしています。

卵巣予備能に応じた適切な刺激は自由診療となることが多く、料金は高くなりますが、いたずらに時間とお金を無駄にしないよう、適切な刺激ができる施設での治療をお勧めします。

「いつまで採卵・貯卵できるのか」というのは、育つ卵胞があるうちは可能ですが、患者さんの思いを、我々医療者はサポートしたいと考えています。

一般的には43歳くらいになると平均50~60個くらいの卵子で、ひとりの赤ちゃんが生まれると言われています。
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