【Q&A】子宮腺筋症病巣切除術、子宮筋腫摘出術について~岡村先生

きなこさん (43歳)  
<これまでの妊活>
(2012年1月 粘膜下筋腫切除@高知医大)
2020年8月26日 不妊治療開始@武雄の谷口婦人科
採卵2回
1. 2021年1月20日 排卵数 6→胚凍結 2→14BC, 24BC
2. 2021年3月10日 排卵数 9→胚凍結 4→14BB, 24BC, 36BC(D6), 45AC(D6)
粘膜下筋腫切除2回
1. 2021年7月12日 粘膜下筋腫を2個切除(子宮鏡検査)@高木病院
2. 2021年9月21日 粘膜下筋腫術後 癒着剥離(子宮鏡検査)@高木病院
→粘膜下筋腫なし
3. 2021年11月2日 粘膜下筋腫 2個切除(腹腔鏡手術)@済生会長崎病院
子宮内フローラ検査
2022年10月17日 ラクトバチルス率 96.2%
胚移植 3回
1. 2022年3月11日 4BB 5日目胎盤胞 胚移植→陰性
2. 2022年7月7日 4BC 5日目胎盤胞 胚移植→陰性
3. 2022年12月12日 4BC 5日目胎盤胞 胚移植→陰性
不妊治療を3年しており、3回胚移植をしていますが、1度も着床していません。凍結胚䛿あと3個(4BC, 6BC(D6), 5AC(D6))です。先日主治医から子宮腺筋症病巣切除術(開腹手術)と子宮筋腫摘出術(子宮鏡)を受けるように言われました。今後の妊活について助言をいただきたいです。手術を受けるべきなのか、薬物療法はどうか、採卵もすべきなのか等ご意見をお願いいたします。ジネコ内での動画では採卵を行なって、偽閉経療法で治療を行い、胚移植を行うことが教示されていましたが、実際どのような治療が妊娠につながる近道なのかを教えていただきたいです。できたら開腹手術を避けたいと思っていますが、やはり着床不全となりますと必要でしょうか?

岡村先生に教えていただきました。

岡村佳則 先生(ソフィアレディースクリニック水道町)1993年、熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院勤務、米国留学、熊本大学医学部附属病院、熊本総合病院勤務等を経て、2022 年5 月ソフィアレディースクリニック水道町の理事長・院長に就任。モットーは「二人の気持ちに寄り添い、そのための心と体に優しい医療の提供を行う」。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
1. 子宮腺筋症があると着床しにくいか?
一般的に、ある程度妊娠するが、流産率が高いと言われています。
ただし、子宮腺筋症の病変が子宮内膜の近くに及んでいると、着床しにくくなると思われます。
2. 子宮腺筋症の病巣切除術のメリット・デメリットについて
メリットとしては、残った子宮筋層が軟らかくなるので、着床しやすく流産しにくくなります。デメリットとしては、残った子宮筋層が薄くなるので、早産しやすかったり、子宮破裂のリスクも少し上昇することが考えられます。
3. 子宮鏡下子宮筋腫核出術は何度も行うか?子宮筋腫は再発しやすいか?
子宮筋腫が再燃すれば何度か行う必要はあると思われます。筋腫の個数が比較的少ない場合は、1回で済むことが多いですし、数が多ければ時間経過とともに子宮筋腫が再燃しやすいので、複数回の手術が必要になってきます。
4. 採卵・手術・胚移植、どの治療を優先すべきか?
手術が必要あるいは行うのであれば、年齢的には採卵を優先させて、手術後に胚移植を行なっていくという順序になるかと思います。
5. どのような治療を勧めるか?
手術に関しては、済生会長崎病院の藤下先生に相談されるのが良いと思います。ARTの治療としては、着床不全への対策が必要と思います。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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