【Q&A】体外受精の諦め時について~浅田先生

Thiraさん (43歳)
41歳から治療を開始し、途中に子宮筋腫摘出手術を挟み、計4回の採卵で5個の胚盤胞移植をホルモン補充3回、自然周期2回で行いました。1回目のみ化学流産、他は反応なしでした。凍結胚はもうありません。原因は特定出来ておらず、年齢的に胚や着床不全も考えられ、医師からこれ以上は体外受精を継続しても望みは薄いと思うと言う話しがありました。
治療を継続すべきか悩んでいます。体外受精の諦め時についてアドバイス頂けると嬉しいです。

浅田先生に聞いてきました

浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

自然周期での胚盤胞移植後に予定より早く出血が始まったということですが、出血が早く始まったということは、着床し始めていた胚が出血で流されるということも考えられるので、そこはホルモン補充等できちんと管理すべきだと思います。
私は講演等で、閉経になる約9年前、例えば51歳で閉経になるなら42~43歳位が、自然妊娠の限界だと話をしています。
毎月出血があれば、排卵して生理がきているように思われるかもしれませんが、閉経前になるとホルモンだけを作り、きちんと排卵をしていない周期が約10年程度続きます。
不妊治療は、自然妊娠ができなくなった後も結果を出していく治療でもあります
当院では、48歳の時に採卵した卵で49歳の時に出産した人もいます。
もちろん、誰でもこのような結果が出るわけではないですが、卵子が採れるうちは年齢相応の妊娠率が出ると考えて、Thiraさんが望まれるのであれば、きちんとサポートをしてくれるクリニックでこれからも治療を継続されたらよいと思います。

採卵についても、身体は年齢とともに妊娠できなくてもよいようにホルモンの状態が変化しますので、卵を育てる、移植する、ということにおいても、きちんとコントロールをした方が妊娠率は高くなると考えていますので、私は自然周期での移植はあまりお勧めできません。
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