夫は仕事で不在がち。タイミングも難しく……

夫は仕事で不在がち。タイミングも難しく……人工授精2回で体外受精へ強行突破。積極的な妊活アピールで夫を当事者に。

不在がちな夫とタイミングをとるのも難しく、1年半後に人工授精へ。
翌年の引っ越し前に最新医療が整っているクリニックで授かりたいと体外受精へステップアップ。
今年3月末の引っ越し翌日の移植で無事授かることができました。

多忙で転勤も多い夫。タイミングでは難しく…

Aさん(33歳)がKさん(34歳)と結婚したのは2018年元日のこと。遠距離恋愛だったこともあり、しばらくは二人の生活を楽しみました。

真剣に子どものことを考え始め、19年夏ごろから妊活アプリを使ってタイミングをとり始めます。しかし、なかなか授かる気配がありませんでした。「すぐに授かると思っていたので、『あれっ?』という感じでした。ただ、夫は海上自衛隊の自衛官で1年の半分は仕事のために不在です。今もそうですが、帰宅予定の日でも急きょ変更になり、帰ってこないことも多いんです。だから、タイミングがとれるといっても月に1、2回程度。仕事によっては3~4カ月間、まったくとれなかったこともあるので回数は少ないと思います」

とはいえ、1年経っても妊娠しないので、Aさんは当時住んでいた場所から車で1時間以上かけ不妊治療クリニックへ通うことに。「夫婦揃って検査を受けたところ、夫の精子濃度が低いことが判明しました。でも、何か策を講じてくれるわけでもなく、引き続きタイミングを続けていました」

半年後の21年3月、別の県へ転勤になります。Aさんは新たな住居近くの不妊専門クリニックを見つけ、通い始めました。

子宮内膜ポリープを除去。1年以内を目指し人工授精へ

新しいクリニックでの初診でAさんに子宮内膜ポリープが見つかりました。「ちょうど子宮の真ん中にあり、受精の邪魔をしているかもしれないから除去したほうがいいと言われ、7月に手術をしました」

その後も、タイミングを何度かとってきましたがうまくいきません。そんななか、Kさんの仕事の関係で次の引っ越しは2022年春と決まってしまいました。「違う県へ引っ越ししたらこのクリニックに通えなくなります。ほかの自衛官の奥さんがここで子どもを授かったと聞いていたので、ここで絶対、結果を出したかった。それで11月から人工授精にステップアップしました」

人工授精は2回行いましたが、うまくいきませんでした。「先生からは、人工授精を5~6回行う方が多いと言われました。でも、22年春には異動が決まっている私たちには時間がないと思ったのと、引っ越した先に体外受精など最新の不妊治療が受けられるクリニックがない可能性もあります。そうなったら大変だと思い、22年1月、体外受精にステップアップしました」

何より検査をするたびに、Kさんの精子濃度が低いことを指摘されていました。「普通に妊娠は難しいのかな」という思いがAさんの背中を押しました。

引っ越し翌日に移植し、一週間後に妊娠判定!

Aさんはホルモン補充周期で排卵誘発し、1回の採卵で6個採れて、そのうち3個を胚盤胞で凍結胚に。その一つを移植したのが3月31日でした。

実はその前日が引っ越しの日でした。K さんが不在のため、県外の母親が手伝いに来てくれて、慌ただしいなかの引っ越し。移植の日程をずらすこともできたのですが、Aさんはこの日に移植を決行します。「引越し先が決まる前、先生から『もし、遠方へ引っ越す場合は、次のクリニックへ凍結胚を移送することになります』と聞いていました。結果的に引っ越し先は同じ県内で、今まで通り同じクリニックに通えたので、そんなに急ぐ必要もなかったのですが、4月1日から保険適用が始まったら、クリニックが混むのではないかと心配だったんです。それでとりあえず予定通り進めようと思い、移植を決行しました」

移植の一週間後の受診で、妊娠判定が告げられ、先生から「おめでとう」と言ってもらいました。「もううれしくて涙が止まらなかった。すぐにでも夫に伝え、喜びを分かち合いたかったのですが、ちょうど出港中の期間だったので艦の家族メールで報告しました」

明るく妊活アピールして夫を当事者にする

これまでのいきさつを明るく話してくれたAさんですが、精神的につらいことも何度かあったそう。結婚して半年ぐらいで授かる友だちが多く、報告を聞くたびに落ち込んでいたそうです。「特にポリープを除去していよいよだ、と期待していたのになかなか授からない。それで人工授精、体外受精にステップアップした頃は本当につらかった。夫がそばにいれば気が紛れるのですが、不在なだけでなく、国家機密のため、行き先がわからず連絡がとれないことも多いので、一人でクヨクヨしていましたね」

気持ちを切り替えるため、Aさんは不妊治療のことをK さんと共有し、当事者意識をもってもらおうと、K さんが自宅にいる時は妊活アピールをするようにしていたそうです。「ホルモン補充の注射を打つ時は必ず『これから打ちまーす、記念動画を撮ってくれる?』と頼んだり、採卵の時は『一人でクリニックへ行くのは心細いから、できれば休んでついてきてほしい』とお願いしたり。なるべく巻き込むことで寄り添ってもらうようにしました。それで私も気持ちを持ち直し、元気になれたので」

Kさんとは結婚してからのほうが断然仲が良いと言います。「おそらく会えない時間が長いので、一緒に居る時間にたくさん話すからこそ互いへの理解も深まっているのかも。仕事以外のことは何でも話してくれるので、私も『Kの精子がダメだから子どもが授からないんだよー』と冗談で言ったりしてましたね」

Kさんは、今は帰宅するたびにお腹をさすって“我が子”に声をかけてくれているそう。「半強制的ではありますが(笑)、出産も二人で向き合いたいので」。

 

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。