43 歳の婚約中に治療スタート

信頼できる先生との出会いや 治療できることに感謝し、 夫婦の協力と熱意で願いをかなえました。

天職とも思える仕事に出会い、 仕事もプライベートも謳歌し、気がつくと 40 代に。

年齢の壁という現実に向き合い 婚約中から夫婦で治療に取り組んだKさんのお話です。

年齢の壁という現実を知り これまでの人生に後悔も

「客室乗務員として仕事とプ ライベートを謳歌し、気がつ いたら 40 歳を超えていました」 と語る、笑顔が素敵なKさん ( 46 歳)。 43 歳の時に友人の紹 介で医療にたずさわる一つ上 のご主人と出会い、お互いの 人柄に惹かれて交際3カ月で 婚約。ご主人と出会った当初 は不妊の知識がなく、「子ども はまだまだ産める」とのんび り構えていたといいます。し かし、「子どもが欲しい」とい う二人の思いが一致すると、医療に詳しい彼のアドバイス もあり、すぐに近くのクリニッ クで一般検査を受けることに。

卵巣年齢は 40 歳と実年齢よ り若く、特に問題はなかった のですが、婚約中に治療で きる施設が限られていること がわかりました。Kさんは職 場から通えそうな施設をイン ターネットで検索。電話でい くつか問い合わせしたなかで、 温かい対応をしてくれた、あ るクリニックの説明会に彼と 一緒に参加します。そこで不 妊治療に対する先生の熱意に 触れ、「この先生ならお任せで きる」と、通院を決めました。

初診では「一般検査で特に 異常はなかったのですが…」 と、それほど深刻に考えてい なかったKさんでしたが、「 43 歳という年齢を考慮して、す ぐに治療を始めたほうがいい でしょう」という先生の言葉 に愕然とします。

「先生の一言でようやく現実を 受け入れました。そして、結婚 も出産も後まわしにして、この 歳になってしまった自分を強く 責めたくなりました」

そんなKさんに、先生は「あ なたは今までの人生も懸命に生 きてきたのでしょう。一緒に頑 張りましょう」と励まし、治療に前向きに取り組むよう、背中 を押してくれたといいます。

限られた時間のなかで 治療ができることに感謝

こうして体外受精からスター ト。最初のうちは仕事と治療を 両立しながら自己注射などで卵 子を育て、1回の採卵ごとに新 鮮胚と凍結胚を移植することに しました。しかし、それを3周 期繰り返しましたが、すべて陰 性。毎回、期待した結果が出ない現実に直面するたび、落胆す るKさんでしたが、それでも翌 日には気持ちを切り替えて治療 に向き合い続けました。

特に 40 代の不妊治療にはス ピードが大切。この治療法では 年間に採取できる数が限られて しまうことから、先生からの新 たな提案で、治療2年目は毎周 期の採卵に変更し、その間は胚 移植をせず、受精卵を貯蔵する 方法に切り替えます。

そして、 45 歳半ばを迎えた 頃、受精卵の数と質がある程度整ったとの先生の判断から移 植を再開。すると、2回目に 行ったクリニック独自の方法 で待望の妊娠判定が。しかし、 その喜びもつかの間、 45 歳以 上の流産率が 50 %以上と聞き、 不育症予防の自己注射とさま ざまな検査を行う不安な日々 がしばらく続きました。

そうして7カ月。安定期に 入ると、赤ちゃんの胎動を感 じるようになり、「私たちを 選んでくれてありがとう」と、 ようやく愛しさと幸福感がこみ上げてきました。

「私たちは幸運なことに信頼で きる先生に出会い、すべてお任 せしましたが、ここに至るまで には涙することもありました。 不妊治療は経験した人にしかわ からない肉体的な痛み、精神的 な痛みをともないます。私の年 齢を考えると、治療にかけられ る時間は限られていました。い つか必ず終わりを迎える不妊治 療。治療できることへの感謝を 忘れないようにしました」

「納得するまで諦めない」 大切なのは夫婦の協力と熱意

「子どもが好きな主人が私と結 婚するのは、大きな決断だった と思います。それでも私と人生 を歩むと決め、二人三脚で治療 に協力してくれたことに感謝し ています」とKさん。不妊治療 には夫婦の協力が欠かせないと 振り返ります。

「クリニックでは1人の患者さ んに与えられた時間は限られて おり、毎回いくつもの質問を書 いたノートを持参して、先生が 余すことなく回答してくれた内 容を主人に共有していました」 時にインターネットで治療を検 索していると、ネットの情報で はなく、信頼する先生に直接聞 いて問題解決するようにと、ご 主人からアドバイスを受けるこ限られた時間のなかで 治療ができることに感謝とも。また、仕事を辞めて治療 に専念するようになってから は、治療中心の生活に。リフレッ シュが大切だと考え、ご主人と 国内外の旅行にたくさん出かけ たそうです。その一方で「最後 まで結果が出なかった場合、そ の後の人生をどのように歩むか といったライフプランも冷静に 話し合いました」

また、Kさん自身も「歩んで きた人生は取り戻せないので、 明日より若い、今の自分を大切 にし、愛する主人との間に子ど もをもちたい」という一心で、 これまで以上に食事や運動に気 をつけました。実は、意外にも 人見知りだというKさん。信頼 する先生や看護師さんに心を開 き、医師と患者の関係を超えた 一人の人として、日々の治療に 取り組むことを心がけていたそ うです。そのうえで、不妊治療 で後悔しないためには、「先生 の熱意と同じか、それ以上に患 者側も治療に対する熱意をも ち、納得するまで諦めない」姿 勢が大切だといいます。

その後、元気な男の子を無事 出産し、子育てで忙しい日々を 送りながらも、家族の幸せを実 感しているKさん。

「できることなら、残された受 精卵で家族を増やしたい」

これからの夢は広がってい ます。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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