【Q&A】これからの治療方針~生田先生

nicoさん(37歳)

29歳の時にがんになり、抗がん剤治療前に8個の胚盤胞を凍結しました。
抗がん剤、放射線、ホルモン治療をした後、34才から凍結した胚盤胞を戻しましたが、稽留流産2回、化学流産1回で、あとは着床せず卵がなくなりました。
この卵たちを希望に治療を頑張ってきたのでかなりショックでした。
クリニックの先生からは、卵の染色体異常が原因だろうという説明でした。
その後AMHを測定したら、治療前よりかなり数値が下がり0.3になっていました。
低刺激で体外受精を開始し、10回採卵をして、4回稽留流産、3回化学流産を繰り返しました。
そのうち、PGT-AのA胚が3つでした。
夫婦の染色体異常検査もしましたが、2人とも異常はありませんでした。
その後、他のクリニックで不育症の検査をしました。
血液検査と子宮鏡検査をしましたが、抗リン脂質抗体症候群と診断されました。
胎嚢の確認が出来たらアスピリンとヘパリンの注射を打つ事になり、まだ残っていたPGT-Aの A胚を2個戻しましたが1つは稽留流産、もう1つは着床もしませんでした。
その後はPGT-Aを一旦やめて採卵を2回して、胚盤胞が4つできたので2個づつ移植しましたが、着床せず。残っていたB胚を戻して卵はなくなりました。
お金もこれまでの治療でかなり使ってきたので、
保険治療に一度チャレンジしてみようと思っていますが、年齢的な不安もあります。
やはり自費の治療の方がいいのでしょうか?
また、他にやった方がいい検査などありますでしょうか?

生田克夫先生にお話を伺いました。

いくたウィメンズクリニック 生田 克夫 先生 名古屋市立大学医学部卒業。名古屋市立大学産科婦人科学教室助教授、名古屋市立大学看護学部教授などの経歴を重ねたが、不妊に悩む名古屋の方たちの役に立ちたいという思いで、教育者の立場を辞して独立。地元・名古屋の中心部、栄に開院し、1986 年から体外受精の現場を歩いてきた経験と穏やかな人柄で、数多くの患者さんを妊娠に導く。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
中々難しい問題ですね。
癌に対する治療、特に抗がん剤を使用すると卵巣内の卵子の数が極端に減少してしまいますし、一般的にその後である程度回復しても卵子の質があまり良くないことが多いと思います。
とは言っても、PGT-AもされてAランクの胚が得られているので希望はあります。
内膜側のダメージが残っているのでしょうか、着床に関する子宮内膜の問題はまだまだ分かっていないことが多いので、子宮内膜の側の条件を改善するかもしれないという方法を行いながら頑張って治療を進めるしか無いと思います。
保険での治療も可能な範囲でされても良いかもしれません。
PGT-Aは染色体異常の無い胚を移植しても40歳未満の方ですと妊娠率が改善されるというわけではないので。
これ以上PGT-Aを続けられてもと思います。
移植を行う際の子宮内膜の厚さはどれくらいでしたでしょうか?
Th1/Th2の検査は行われていますか?
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。