【Q&A】流産後、中々妊娠しません。高温期を保つにはどうしたらいいのでしょうか?~高橋先生

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

ゆりさん(31歳)

2020年1月から妊活をするも半年後にストレスが原因で無排卵、不正出血。
なかなか妊娠しないため2021年12月に夫婦ともに産婦人科で検査するも異常無し。
基礎体温が安定せず、そのままタイミング療法に入りました。
副作用がつらくて2ヶ月程度でやめてしまい、2021年3月から不妊専門の漢方薬局と鍼灸院に通い治療を始めたところ、翌月の2021年4月に初めて妊娠がわかるも「まだ改善段階だから流産しても気にしないように」と言われ、翌月、稽留流産となりました。
その後も治療を続けるも低温期、高温期䛿ありますが高温期が短く今も妊娠していません。
卵の質が悪いとずっと言われており、治療院に産婦人科でホルモン治療をしたほうがいいのか聞くと、高温期に体温が下がっているから治療してもあまり意味がない、質が悪いとずっと言われています。
高温期が続くためにはどうしたらいいはでしょうか?
ちなみに、ホルモン治療をしていたとき低温期に突然体温が高くなりましたが、高温期がしっかり続きました。
その翌月妊娠できています。
最後にホルモン剤を服用したのは2021年3月の高温期です。
その月は高温期がしっかり保てたあと、生理が来ましたが綺麗な低温期になったのち翌月4月に妊娠できましたが、これは3月に服用した薬の影響で妊娠できたのでしょうか?

流産後、なかなか妊娠されないとのことでお悩みなのですね。
治療経過を見せて頂きました。
現在、原因が不明で、治療方針もしっかりしたものがないようなので、全体的な提案をお示し致します。
まず、不妊治療の検査としては、生理中のホルモン検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡をまずお勧め致します。
高温期が短いようなので、ホルモン検査は重要です。
また排卵誘発剤を使用すると、排卵が促進されて、結果的に高温期も長くなります。
高温期が短いときの使用薬は、高温期の薬(黄体ホルモンなど)ではなく、排卵誘発剤が優先されます。
次に、女性の最も多い不妊原因は卵管因子です。
子宮卵管造影検査は、不妊治療の初期段階での最重要な検査なのです。
また、この検査により、卵管の通りが良くなって、妊娠の可能性も上がるという、治療的な面もあるのですね。
卵の質が悪いかどうかは、体外受精をしてみないと実際には分かりません。
今の時点で様々考えても結論は出ないのです。
また、基礎体温の形は、現在ではあまり重要視されていません。
ある程度、低温にと高温期がわかり、生理もある程度順調ならば、基礎体温の形と妊娠率はあまり関係ないのですね。
今後おこなう検査と治療は、ホルモン検査、子宮卵管造影検査、そして飲み薬の排卵誘発剤、頻回の性交渉です。
子宮卵管造影検査が少し痛いかも知れませんが、それ以外は、特別な副作用はありませんよ。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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