妊娠しやすい体でいるためには「冷え」は大敵です!

冬場はもちろん、最近は夏でも冷えを感じるという女性が増えています。1年中冷え性の状態でいるとどんな不調が起こってしまうのでしょうか。妊娠への影響は? 冷えの原因や対策について秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生にお話を伺いました。

秋山レディースクリニック 秋山 芳晃 先生 東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。

冷えにより肩こりや頭痛、免疫力低下、体重増加や不妊が引き起こされることも

「冷え」とは暑い夏なのに手足が冷たく感じる、暖かい場所にいるのに体が温まらないなど、通常は寒さを感じない程度の温度にもかかわらず、全身あるいは体の一部(下半身のみ、手足だけなど)に冷たさを感じてつらい状態をいいます。

60年前と比べると女性の平均体温は約1℃低くなっているといわれており、これは過度の冷房や運動不足、ダイエットやストレスなどが原因といわれています。また、内科的な病気の症状の一つとして冷えが起こる可能性も。甲状腺機能低下症や貧血、関節リウマチのような自己免疫疾患や慢性心不全などでも冷えの症状が出ることがあるので注意が必要です。

体温が1℃下がると免疫力が約30%低下するといわれており、免疫力が低下するとウイルスや細菌に対する抵抗力が弱まり、がん細胞は体温35℃台で最も増殖しやすいという説もあります。また、冷えて体内の血流が悪くなることで、肩こりや頭痛、むくみ、体重増加、抵抗力の低下、月経痛、排卵障害などさまざまな不調を引き起こし、不妊の原因になることも考えられるのですね。その他の症状でも、「温めると良くなる」という場合、冷えがかかわっている可能性があります。

冷えに関して、月経困難症の方などの診療においてこちらから質問して確認することもありますし、患者さん自身からご相談をいただくこともあります。

極端なやせや過激な食事制限は要注意。妊娠にはBMI21~23が理想的です

月経の異常や冷えを訴える方の特徴の一つとして、やせ型というのもよく見られますね。BMIが18・5以下になると月経異常が起こりやすく、筋肉量が減って冷えやすくなるといわれています。ステロイドホルモンの一種であるエストロゲンは体内の脂肪細胞でつくられます。やせすぎている方は十分なエストロゲンがつくられないために性周期が不規則になるといわれているのですね。

やせ型ではなくても血液の循環が悪くて冷え性だったり、栄養不足になっていればそれも妊娠しにくい一因になると思われます。女性の適正な体重はBMI21~23くらい。急激なダイエットなどで極端に減量した場合、重症の排卵障害を来すことがあるので、生活環境の見直しとともに体重コントロールも妊活には大切になってきます。

冷えを解消するには食事や睡眠の改善、適度な運動などを心がけるように

卵巣や子宮に関して、血流が良いほうが望ましいというのは間違いないと思いますね。血行が滞って冷えを感じているという場合、部分的に温める、漢方薬やビタミンEなどを内服するという対応があると思います。

当院では以前、血流を促進する目的でレーザー治療を行っていたことがありますが、当時は効果がはっきりしなかったので数年で中止しました。鍼灸治療なども患者さんに積極的におすすめすることはありませんが、その方の体質や症状によっては効果を期待できるかもしれません。

基本的に冷えを改善するためには生活を改善することが一番です。「冷飲・冷食を避ける」「睡眠を十分にとる」「適度に運動する」「腹巻きやレッグウォーマー、マフラーなどで保温する」「体を温める食品(冬が旬のもの、寒冷地で育つもの、発酵食品)などを積極的に摂る」などの工夫をしてみてください。

一般的にコーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物は体を冷やすといわれているので、私は夏でも熱いほうじ茶を飲むようにしています。白湯でもいいと思いますが、毎朝起床後に飲むと全身がポカポカするのでおすすめです。

毎日の生活の中で「冷え」を解消しましょう!

冷たいもの、カフェインが含まれるドリンクは飲みすぎないように。

ショウガやにんじん、ごぼう、ねぎ、ニラ、発酵食品などは体を温める効果が。

腹巻きやレッグウォーマー、マフラーなどで冷えやすい部分をしっかり保温!

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。