【Q&A】連続採卵をするかどうかについて~高橋先生

体外受精で、AMHが低い場合・・・

連続して移植するのか?少しでも若いうちに採卵して、貯卵しておくべきか…

高橋敬一先生にお伺いしました。

高橋ウイメンズクリニック 高橋 敬一 先生 金沢大学医学部卒業。国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)、虎の門病院を経て米国ワシントン大学に留学。1996年虎の門病院に復帰した後、1999年千葉市に不妊治療専門『高橋ウイメンズクリニック』を開院。2014年ベストドクター認定(ベストドクターズ社)。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

パンプキンさん(33歳)

10月19日からクロミッドで卵巣刺激をし、11月2日に採卵しました。
5個採れ、前核期胚で3個凍結できました。
融解胚移植を行う場合、数個融解して培養し、1個移植、残りは胚盤胞まで育ったものを再度凍結します。
そこで悩んでいるのが、次周期も採卵するか、移植するかです。
AMHは0.33で、連続して刺激した方がよいとも聞きます。
また、3個凍結できましたが、融解後の成長やグレードが思わしくない可能性があるとしたら、少しでも若いうちに採卵しておくのがいいとも思います。
ただ、早く妊娠したいという気持ちもあります。
次回は受診が11月16日〜20日頃です。
次の次の周期に採卵または移植となると、年末年始に当たってできない心配もあります。
連続して採卵するべきか、移植したほうがよいか、アドバイスいただきたく存じます。

卵巣機能が低下している状況で、ご不安のことと思います。
多く採卵したい気持ちと、早く妊娠したい気持ちなど、相反する考えがぶつかって、判断に迷ってしまっているようですね
何を重要視するかにより、判断やおこなう手段は異なります。
実際には、早く妊娠したいのか、多く胚を保存したいのか、どちらを優先するかを決める必要があると思います。
卵巣機能が低下しているときに「連続して採卵する方がよい」と決まってはいません。
その周期の小卵胞の数や、前周期の排卵誘発法にもよるので、その時の状況次第で、連続することがありますし、1周期あけた方が良いと時もあるのです。当クリニックでは、月経時期の超音波検査で、小卵胞が多いときには排卵誘発をしっかりおこない、卵胞が少ないときには1周期あけたり胚移植したりしています。その周期の状況に応じて判断する必要があるのです。
年末年始にあたるかどうかは、卵巣の反応にもよりますので、気にしてもスケジュール通りには行かないことが多いので、これに関してはあまり気にしない方が良いでしょう。今回の悩みからははずされた方が良いですよ。
一つの考え方を挙げてみます。
1)まずは一人を早く妊娠する事を目指したいならば、採卵したら胚移植を優先し、胚がなくなったらばまた採卵する、という方法をとる。
2)すぐの妊娠にはあまりこだわらずに、多くの胚を凍結したい。今から二人目も考えている、のであれば、採卵を優先して、前核期胚であれば、20個の凍結を目指す。胚盤胞ならば10個の胚凍結を目指す。
というモデルケースが挙げられます。
これを一つの考え方として、ご希望に合うように変更してみては如何でしょうか。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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