【Q&A】AZF-c欠失で妊娠は難しいですか?~寺井先生【医師監修】

yukariさん(34歳)

移植7回しそのうち1回化学流産、PGT-Aをして正常胚盤胞2個→1個妊娠するも9週で流産。凍結精子を全部使用し、再度Micro-TESEを行う予定ですが、男性不妊の医師から「AZF-c欠失で妊娠まで辿り着くまで苦労する人が多く、なかなかこの精子では厳しい」と言われました。
今後どうしたら良いのか、もう諦めた方がいいか相談したいです。また前回の治療クリニックは毎回同じ治療で薬も変えることはありませんでした。転院するべきかアドバイスあればよろしくお願いします。

泌尿器と男性不妊のクリニックの寺井先生に聞いてきました

【医師監修】泌尿器と男性不妊のクリニック 寺井一隆 先生 
2002年順天堂大学医学部卒。杉山産婦人科の生殖医療科(新宿)などへの勤務を経て、2022年4月に泌尿器と男性不妊のクリニックを開院し、院長に就任。全国でわずかしかいない泌尿器科の男性不妊専門医として多くの不妊に悩む男性患者さんの気持ちを汲み取った診察を行う。日本生殖医学会生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
●PGT-Aをして正常胚盤胞を移植しても流産する原因として、どのようなことが考えられますか?

子宮内で受精卵が育つ過程で問題が起こる不育症などが流産の原因として考えられます。

●AZF-c欠失と不妊の関連について教えてください。

Y染色体上にあるAZF遺伝子のAZFc部分が欠失していることで、精子形成不全が起こり、無精子症や高度乏精子症となることが知られています。

●AZF-c欠失ではどのような方法で妊娠を目指していけばよいでしょうか?

無精子症の場合はTESE-ICSI、高度乏精子症の場合は射出精子によるICSIが行われています。

●今後の治療の進め方や転院についてアドバイスをお願いします。

AZF-c欠失の方のTESE-ICSIでは、一般的なTESE-ICSIよりも治療成績が悪いことが知られています。現在一般的な方法で妊娠が得られていないことを考えると、TESEを行い精子を凍結せずにICSIを行う、fresh TESE- ICSIが良いと考えます。ただし、この治療を行うためには、TESEと採卵のタイミングを合わせる必要があり、対応できる施設は限られています。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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