サプリと睡眠、PGT-Aについて

サプリや就寝時間が ホルモンバランスに影響しないか心配です

神谷レディースクリニック岩見 菜々子 先生 札幌医科大学卒業。2014 年より神谷レディースクリニック勤務。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産科婦人科学会認定専門医。日本抗加齢医学会専門医。
相談者 : ちーさん(39歳)治療年数2 〜3 年。AMH 値は1ng/ml。現在は顕微授精とPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)をしています。クリニックから「葉酸以外のサプリを飲むとホルモンバランスが崩れる」と言われ、ビタミンD、コエンザイムQ 10、当とうきしゃくやくさん帰芍薬散も飲んでいるので心配です。仕事の関係で就寝時刻が遅く、不妊への影響が気になります。PGT-A で移植には不適切という結果でも稀に妊娠することがあるというのは本当でしょうか?

サプリメントでホルモンバランスが崩れることはあるのでしょうか。

岩見先生●女性ホルモンに影響するサプリというのはありますから、「ホルモンバランスが崩れるというのは、ホルモンに影響がある」という意味かと思います。ビタミンDはARTでの妊娠率や精子の受精能の向上、切迫流産や胎盤関連の合併症の予防に重要といわれ、免疫の面でも注目されています。また、活性酸素の除去につながるコエンザイムQ10は継続しても問題はないですし、血液の循環や東洋医学的な水のバランスを整えるといわれる当帰芍薬散が、ホルモン環境に悪影響を与えることはないでしょう。
 コエンザイムQ10などのアンチエイジング系サプリは、半年以上経過しても良い結果が出なければ、アスタキサンチンのサプリや高濃度ビタミンC点滴など、ほかの方法を検討するのも一つの選択肢だと思います。

就寝時間が遅いことは不妊につながりますか。

岩見先生●分泌が減ることで老化現象につながるメラトニンというホルモンは、22時〜2時が生理的分泌時間といわれます。この時間帯の睡眠が難しい場合は、就寝30分くらい前にサプリで摂取していただく方法もあります。睡眠時間7〜8時間の確保が難しい方も多いと思いますが、メラトニンには睡眠の質を良くするという報告もあります。

PGT ‒Aで、移植に不適切な受精卵という結果が出ても、妊娠が成立することはありますか。

岩見先生●PGT ‒Aは将来胎盤になる細胞を検査しているため、胎児になる細胞の状態を100%反映しているわけではありません。そのため不適切(C判定)の受精卵でも妊娠が成立した報告例があるのは予想の範囲内です。C判定で移植をするかは悩ましいところですが、B判定であればリスクを考慮したうえで移植を相談してみるのもいいかもしれませんね。

今後はどう治療すればいいでしょう。

岩見先生●ちーさんの治療歴の長さとAMH値を考えると、39歳の間にできるだけ良好胚を獲得するのがポイントかと思います。今までのサプリで結果が得られなければ、ほかのアンチエイジングの検討や、低反応レーザー治療などの補助的な治療によって子宮や卵巣の血流を促し、採卵数や成熟卵数を増やすなどの方法もあると思います。良好胚が早期に獲得できれば、早期妊娠につながるのではないかと思います
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。