ホルモン補充周期で移植したが高温期にならない

ホルモン補充周期の移植がうまくいかず。この治療はあってる?

内田クリニック内田 昭弘 先生 島根医科大学医学部卒業。同大学の体外受精チームの一員として、1987 年、島根県の体外受精による初の赤ちゃん誕生に携わる。1997 年に内田クリニック開業。生殖医療中心の婦人科、奥様が副院長を務める内科、大阪より月1 回来院の荒木先生による心理カウンセリングとサポート体制が充実している。
相談者 : みそさん(35歳)第1子を人工授精で妊娠し、30 歳で出産、第2 子妊活中です。人工授精2回の後、顕微授精1回目で8個採卵、2個が胚盤胞となり移植しましたが、妊娠に至っていません。胚盤胞は4ABと4BB、ホルモン補充周期での移植で生理3 日目からプレマリン® を使用。13 日目からプレマリン® とルトラール® を服用しましたが、高温期になりません。ルトラール® 開始6 日目の移植後、2・3日で高温期に移行しますが、ルトラール® のみの時ほど高温になりません。この方法は合っていますか?

みそさんはプレマリンRとルトラールRで治療を進めていますが、高温期にならないことが気になっています。

内田先生●基礎体温表はあくまでも目安であり、みそさんの通院している施設では、基本的に体温が上がらなくても着床の条件が整ったということで胚移植をしていると考えられます。体温が上がっていないことに問題があるのであれば胚移植はしないですから、それほど気にしなくてもいいと思いますよ。プレマリンRとルトラールRが正しく使用されていたら、基礎体温表への影響はないと思いますし、たまたま上がらなかったとも考えられます。

1回目のホルモン補充の方法に問題がないとすれば、着床障害の検査も検討しています。

内田先生●妊娠の条件を決めるのは8割から9割が受精卵で、1割から2割が子宮の条件が整っているかどうかだと考えます。グレードの良い受精卵を戻しても妊娠しないのであれば、着床障害の可能性もあるので、2回目の胚移植の前に検査をしてみてもいいと思いますね。

具体的に、どのような検査があるのですか?

内田先生●受精卵が子宮内膜に着床する条件が整っている時期を調べるERA 検査、子宮内の菌の種類や割合を調べる子宮内フローラ検査などがあります。また、採血でTh1/Th2比や、ビタミンD 濃度、抗リン脂質抗体など免疫系の原因がないかを調べる検査もあります。
 施設の先生によって何をどのように考えているかにもよりますが、僕は、ERA 検査に関しては着床の時期が厳密に決まっているとは思っていないので、積極的には行っていません。子宮内フローラ検査に関しては、検査を受けた約半数の割合で善玉菌であるラクトバチルス菌が少ない患者さんがあり、治療しているという状況です。

2回目の治療は、別のホルモン剤で臨むことも考えられますか?

内田先生●ホルモン補充に使うのは、プレマリンR、ルトラールR以外に、エストラーナテープR、黄体ホルモンの坐薬もあります。当院では、基本的に内服薬ではなく、テープ剤と坐薬によるホルモン補充をしっかりと行い、血中濃度を確認しながら足りないと思ったらさらに追加する治療をしています。
 また、凍結融解胚移植にはホルモン補充を行わずに自然排卵周期で移植する方法もありますので、それも含めて、担当医に相談してみてはどうでしょう。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。