41歳で妊娠率15%とは本当ですか?

2人目をつくってあげたい…。 だけど41歳で妊娠率15%とは本当ですか?

浅田 義正 先生 名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設 に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用 いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の勝川、名古 屋駅前のほか、昨年5月には東京・品川駅前にもクリニックを開院。
みかんさん(41歳)からの相談 Q.3年前に38歳で顕微授精で妊娠、出産しました。9カ月前から不妊治療を再開し、 出産前の凍結卵を2回戻して撃沈。昨年10月に採卵、顕微で3個が胚盤胞になり 戻すも、かすりませんでした。現在41歳9カ月。不妊治療のやめ時かなあと思いつつ、 決心がつきません。41歳のうちに少しでも若い卵子を採っておくか悩んでいます。ち なみに通院中のクリニックでは、グレードや経緯の説明がなく、判断材料が結果しかあ りません。41歳で顕微授精の妊娠率は15%だそうです。まだ可能性があるなら頑張っ たほうがいいのか、無駄な努力なのか…。娘にきょうだいをつくってあげたい気持ちは 強いのです。ぐずぐずとした質問でスミマセン。アドバイスいただけるとうれしいです。

妊娠は卵子の年齢が主役。 採卵するなら少しでも早い段階で

私がいつも患者さんにお伝えしていることですが、妊娠の要因は、
①卵子が老
化していないか②卵巣予備能(AMH
がどのくらいあるか

③カップルの遺伝
子の相性

④遺伝子の偶然の組み換え

  にあります。ここでは①についてお話ししますが、自身の卵子とドナー卵子による出生率の違いをアメリカのデータでみると、自身の卵子の出生率は年齢を追うごとに減っていきますが、ドナー卵子だと出生率は 25 歳でも 45 歳でもほとんど違いがないという結果が出ています。つまり、子宮は年齢の影響を受けないが、卵子は年齢の影響を受けるということです。それだけ、若いうちに少しでも多くの卵子を採卵することが大事だということです。まずはこの事実を念頭に考えてもらいたいと思います。

厳しい事実もうれしい事実も伝えて 判断してもらう

20年以上前のアメリカで、期待される妊娠率が 5 %なら不妊治療はやるべきではない、 1 %ならそれは詐欺であるという論文が発表されました。これについては私もとても悩んできたところです。

ただ、私が見てきた患者さんのなかで奇跡の妊娠がありました。 1 人は 29 歳にして早発閉経だった方。最初は 1 、 2 個採卵できたものの、その後 2 年間採卵できない状態が続きました。その間、私は何度となく、もう諦めましょうと提案してきたのです。ところが、 6 年 8 カ月通った末、奇跡的に採卵できた 1 個の卵子で彼女は妊娠しました。もう 1 人は 28 歳にして AMH がゼロ。この方も 12 周期ほどまったく卵子が育ちませんでした。しかしこの方も 6 年 9 カ月目にして妊娠できたのです。もちろんこの方たちの妊娠例は、金メダル級の例で、すべての人が当てはまるわけではありません。しかし、この例を見て、もしこの方たちの治療を断っていたら、私は生まれてくる赤ちゃんの存在を否定していたことになります。そう思うと私から不妊治療をやめましょう、とは言えなくなりました。

ですからこのようなよい事実も、年齢的な厳しい事実もどちらも知ってもらったうえで自分でどう判断するか、それを考えてもらうために、最新のデータを見せながら定期的にセミナーを行っています。

妊娠率を見て躊躇しているなら 転院を考えるのも手段

みかんさんの場合、 41 歳で 15 %というクリニックの妊娠率にも躊躇しているようですが、施設によって採卵も培養もさまざまで妊娠率も異なります。参考までに、当院の調節卵巣刺激による採卵あたりのデータですが、 40 ~ 42 歳の方の臨床的妊娠率は 42 ・ 5 %、流産率は 40 ・ 8 %、43 歳を過ぎると妊娠率は 19 ・8%、流産率はさらに上がり 60 ・5% になります。少しでも妊娠の可能性を上げたいと考えるのであれば、思い切って妊娠率がより高い施設に転院するというのも大きな転機になるかもしれません。
不妊治療をやめるのは、さまざまなデータや結果をもとに、自分が後悔なくやめたいと感じた時だと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。