サプリメントのこと 先生に聞いてみよう!

何を選んだらいい? どう摂るのが効果的?健康の維持に役立つとして種類も豊富なサプリ

メントですが、妊活中のご夫婦にはどのようなサプリメントが有効でしょうか。

神奈川レディースクリニックの小林先生に教えていただきました。

神奈川レディースクリニック小 林 淳 一 先 生 慶應義塾大学医学部卒業。1984 年より習慣流産の研究と診療に携わり、1989 年より済生会神奈川県病院においてIVFを不妊症・不育症の診療に導入。その後、新横浜母と子の病院の不妊・不育・IVFセンター長に就任。2003 年、神奈川レディースクリニックを開院する。患者さまの個々のペースに合わせた無理のない医療を目指す。

ドクターズアドバイス

子宮内フローラを整えるサプリメントを上手に活用し、できる限りベストな状態で   移植を迎えましょう。

PCOSや卵巣機能低下など症状に合わせたサプリを

当院では患者さんの状態や治療の時期に合わせて適切なサプリメントをおすすめしています。たとえばP C O S( 多嚢胞性卵巣症候群)の方なら、卵の成熟を促進し、妊よう性が改善することが知られている「ビタミンD」や、インスリン感受性を健全に保って排卵を正常化し、卵巣機能を助けて受精率や出産率を改善するとされている「イノシトール」などを。難治性の不妊症でなかなか良い受精卵ができないという方には、高い抗酸化作用で加齢や酸化ストレスによる卵巣機能の低下を改善し、卵や胚の質を上げる「レスベラトロール」や「メラトニン」などを推奨しています。

半数程度は子宮内の乳酸菌が足りていな状態

そのなかで最近特に注目しているサプリメントが「ラクトフェリン」。ラクトフェリンは哺 乳動物の乳に共通して含まれる多機能性たんぱく質で、特にヒトの母乳に多く含まれています。この成分は腸内フローラ(細菌叢)に働きかけ、善玉菌を優位にすると考えられているんですね。腸内フローラは子宮内フローラとも相関し  ているといわれており、子宮内の細菌バランスが悪いと炎症などを引き起こし、着床に影響が出るといわれています。実はこれはごく最近の概念で、10年以上前には子宮内は無菌だと思われていました。

ここ5年ほど前から子宮内のフローラや慢性子宮内膜炎の有無を調べる検査も行われるようになり、着床不全の方におすすめしています。子宮内に善玉の乳酸菌が90% 認められれば合格ですが、その確率は全体の半数程度。半分くらいの方は足りていない状態で、なかには0% という方も。このような場合は乳酸菌の坐薬や飲み薬のほか、子宮内に直接乳酸菌を注入して改善をはかることがあります。

また、サプリメントは食品なので手軽に摂取できます。フローラの状態が悪い方だけでなく、一般不妊治療から体外受精まで、不妊治療を受けるすべての方が予防としても摂ることができます。

移植前からラクトフェリンを摂取して着床環境の改善を

摂るタイミングは移植前に重点的に。食品なので、翌日に効果を実感するという即効性はありません。少なくとも1カ月間程度、生理中から始めて、移植後1週間後くらいまで飲むのが理想です。子宮内フローラの状態を良好にすると着床率向上のほか、早産も予防すると考えられているので、妊娠後も続けるといいのかもしれません。

最近は「ラクトフェリン」のサプリメントも多く販売されるようになりました。ラクトフェリンは口から摂取すると大半は胃で分解されてしまいますが、当院で取り扱っているラクトフェリンは腸溶性仕様なので腸までしっかり届きます。これにより腸内環境が改善され、その恩恵が子宮にまで及ぶのだと思いますね。

サプリメントなので医薬品のようなエビデンスはありませんが、着床への良い影響は当院でも実感。子宮内フローラ改善のほか、腸の働きも良くなるのでお通じや免疫力向上も期待できます。妊娠するためには健康な体が基本ですから、摂取することによるメリットはたくさんあるでしょう。

サプリメントを摂ることは 精神的な安心感にもつながる

サプリメントは薬ではないので、当院では処方という形ではお出ししていません。このようなものがあるとお話しして、あとは院内のサプリメントコーナーで自ら選んで購入していただく。納得するまで説明を聞いたあとは、ご自分の意志で選んでいただきたいですね。

不足している栄養分を補うほか、サプリメントの摂取は精神的な安心感にもつながります。目的意識をもって定期的に飲む。朝に飲むという習慣があれば「今日も頑張るぞ」という気持ちになりますよね。「自分も何かやっている」と、不妊治療に対するモチベーションが上がり、前向きに臨めるのではないでしょうか。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。