読者の皆さんからもととも要望が多いテーマ『サプリメント』
日常の診療でも妊活女性にサプリのアドバイスを行っている澤部由紀子さんにおすすめのサプリの種類や効果的な摂り方について教えていただきました!

秋山レディースクリニック 澤部 由紀子 さん 秋山レディースクリニック看護師長・体外受精コーディネーター、FourLove「生と性 Human Learning」主宰。助産師としても20 年以上の経験をもち、豊富な知識と医療現場で得た実例をもとに個々に合ったサプリのアドバイスを行っている。

さまざまな栄養素をバランス良く摂取し、出産に向けて体の環境を整えたい妊活期間。食事で栄養を摂ることが理想的ですが、忙しくて難しい方はサプリを上手に活用して妊娠・出産を目指しましょう。

ほとんどのサプリは妊活中から出産まで飲み続けるとより効果的ですが、体質改善の目安は2〜3カ月なので、最低でもそのくらいの期間は服用することが望ましいです。また、持病の薬と併用すると効果を下げるサプリもあリますので(甲状腺の治療薬+鉄など)、飲み合わせが心配な時は先生や看護師さんに相談してください。

妊活のゴールは妊娠ではなく、元気な赤ちゃんを産むこと。無理なく続けられるサプリの力を上手に借りて、妊活中もストレスフリーに過ごしてくださいね。

2大サプリ 妊活中~出産まで摂りたい

妊娠を希望するすべての女性におすすめ~葉酸

焼き海苔、鶏レバー、枝豆、ブロッコリー、ほうれん草などに多く含まれる「葉酸」は、流産、早産、常位胎盤早期剥離など胎盤に関連する妊娠合併症や胎児奇形リスクを軽減。調理の過程で失われやすいため、厚生労働省では食事とは別にサプリで1日400μg 摂取(上限1000μg/日)することを推奨しています。ビタミンとミネラルが葉酸の代謝をうながしてくれるので、マルチビタミンとの併用が効果的!

ポイント

★妊活から出産まで継続して摂るのがおすすめ

★食事とは別にサプリで400~1000μg 摂取が目安

★胎児の先天性疾患予防になり、出産率UPのデータも

多くの妊活女性に不足!~ビタミンD

骨の健康を保つために必要な「ビタミンD」は、魚やキノコ類、卵黄などに多く含まれる栄養素。近年、受精卵の着床や妊娠率、流産率に影響するという報告があり、注目されています。厚生労働省が推奨する目安量は8.5μg。日光を浴びることで体内につくられるという特徴もあるので、あまり外出しない、日傘や日焼け止めを使っているなど、UVケアをしている人は特に意識して摂ることを心がけて。

ポイント

★市販のサプリは1粒25μg(=1000 IU)が一般的

★日本人の80% 以上がビタミンD 不足!

★食事のあとに摂ると吸収率が高まるので効果的

★免疫力UPを目指して妊娠中も継続摂取を

目的別おすすめサプリ

卵子の質が気になる人は…

抗酸化サプリ

卵子や精子の質に影響する酸化ストレスは、抗酸化サプリで対策しましょう。さまざまな種類がありますが、手軽に取り入れやすいのは「アスタキサンチン」。また、十数種類のアミノ酸など栄養成分が豊富な「プラセンタ」は若干高額ですが卵子の質が気になる人におすすめです。

DHEA

副腎や卵巣から分泌されるホルモンの一種。卵巣予備能(FSH)検査で機能低下を疑われた場合は、活性化をうながすDHEAサプリが推奨されます。日本では市販や海外からの個人輸入も現在は禁止されているので、クリニックで処方してもらってください。

子宮内の環境を整えたい人は…

乳酸菌

子宮内の菌のバランスが妊娠率や妊娠継続率、出産率に影響するという報告も。善玉菌の乳酸菌(ラクトバチルス)はヨーグルトやチーズ、味噌、納豆、キムチなどに多く含まれていますが、体外から取り入れた乳酸菌は定着しないため、毎日摂ることが大切です。

ラクトフェリン

母乳や哺乳類の乳に多く含まれる高たん
ぱく質の「ラクトフェリン」は、善玉菌のエサとなるため子宮内の環境改善に期待大。熱に弱い性質をもつため加熱処理された市販の牛乳には含まれず、胃酸にも弱いので腸まで届く腸溶性のサプリで摂取するのがおすすめです。

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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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