原因不明不妊って?

原因不明不妊って? 検査でわかること、 わからないこと

「 原 因 不 明 」と い わ れ て も 、必 ず し も 現 代 の 医 学 で は 解 明 で き な い と い う こ と で は あ り ま せ ん 。

多 く の 不 妊 の 原 因 は 、検 査 と 治 療 で 明 ら か に な っ て い き ま す 。

ど の よ う な 検 査 で 何 が わ か る の か 、内 田 ク リ ニ ッ ク の 内 田 昭 弘 先 生 に お 聞 き し ま し た 。

ドクターアドバイス

妊娠しないのには 必ず原因があります

原因不明というのはその段 階で明らかになっていない だけで、検査や治療を進め ていけば基本的には原因が わかるはずですよ。

内田 昭弘 先生 島根医科大学医学部卒業。同大学の体外受精チームの一員と して、1987年、島根県の体外受精による初の赤ちゃん誕生に 携わる。1997年に内田クリニック開業。生殖医療中心の婦 人科、奥様が副院長を務める内科、大阪より月1回来院の荒 木先生による心理カウンセリングをもって現在のクリニッ クの完成形としている。院内で鉢植えの「子宝草」が育ってい ます。葉先に新芽が宿り、それが土に落ちてどんどん増殖中。 「繁殖力にびっくり!希望者にはお分けしようかな」と、先 生。近々、リニューアルするHPにも写真が登場するかも?

「原因不明」の意味は 伝える時点で違ってくる

「不妊の原因がわからない」というのは、実は原因が明 確になっていないだけで、「何かしら原因はある」場合も多くあります。

たとえば排卵障害の患者さんに排卵誘発剤を使って治療しますし、男性の精子が少ないとなれば人工授精します。

そうして見つかった問題に対して適切な治療ができたとすれば、原因はクリアされ妊娠するはずです。

しかし、問題はそこから先で、「治療をしても妊娠に至らない」が原因不明です。

治療をしても妊娠に至らない場合、卵子の状態がどうなのかを考えます。

排卵誘発剤を使っても、どんな卵子が排卵できているのかは見ることができません。

次は、卵管に問題がなくて、精子が正常で、ヒューナーテストも問題がなければ、卵子と精子は卵管の中で出会っているだろうと想定します。

しかし、出会ったとしても受精卵になっているのか、受精卵になったとしても正常に発育しているのか。

これは、現在のところ検査の方法がありません。

ところが、体外受精をすれば確認することができます。

なぜ妊娠しないのかという時に、人工授精の場合には「精子に問題があるから妊娠しないのかもしれませんね」と伝えるケースがありますが、体外受精をして受精卵になると、「精子に問題はないですね」になります。

卵子と精子が出会っていても受精卵にならない場合は、「精子に問題があって卵子に入れないかもしれないし、卵子に問題があって精子が卵子に入れないかもしれない。

どちらに問題があるかはわからないですね」と、そこで原因不明による受精障害を伝えることになります。

ですから、体外受精や顕微授精までやったうえで原因不明と伝えるのと、検査や治療の途中で原因がわからないと伝えるのでは違いがあります。

どの段階で「原因が不明」と伝えるのかによって違ってきます。

ご夫妻と医療サイドで ともに進めたい検査と治療

赤ちゃんを望んでいて、夫婦生活の営みがあっても妊娠をしない場合、まずは検査からです。

しかし、検査は、ご夫妻のどちらに問題があるのかを探すことではなく、どの治療なら妊娠できるかを見つけるために行うものです。

ですから、「検査をすることだけが目標ではありませんよ。検査の結果で問題がわかった時に、次にどうしていくかを考えたことがありますか?」と、必ず事前に伝えます。

自分たちはどういう治療ならやってもいいのか、どんな治療を受けて妊娠したいのかなど検査の後のことも考え、夫婦間で同じイメージをもってスタートすると、とてもスムーズに進みます。

特に、ご夫妻の年齢が高いほど時間がありません。もちろん、時には立ち止まって考えることも必要ですが、決断が遅れるとそれだけタイムロスがじて治療も遅れることになります。

ですから、奥様の年齢が 30 代後半の場合、「今年1年で妊娠できるくらいを目指すことは必要かもしれないですね」と伝えています。

そうしないと、子どもが二人は欲しいという希望があるのに二人目がもてない可能性が高いからです。

そう伝えた時にご夫妻の意識がどう変わっていくのか。

検査も、必要な治療も早めにやっていこう、検査をして原因不明だったら何からやっていこう、と考える気持ちになってもらうことがとても大切です。

不妊治療は、治療をしても妊娠できていない段階で、また原因不明になります。

それで、不明→検査→治療、不明→検査→治療を繰り返すので、時間もかかり、最終的には、医学・医療の限界で考えれば、妊娠に至らないご夫妻は原因不明ということになります。

どんな医療でも、原因が明らかにならないところが残ってしまうという事実も理解しておくことが必要ではないでしょうか。

一般的な不妊検査で特定できる原因

<女性側の原因>

・子宮因子

子宮内膜症や子宮筋腫は子宮の内腔(ないくう)の異常なので、着床障害を基本 に考えます。

着床できない理由としては、子宮の形の異常があったり、子宮の中 にポリープがあったりということなので、その程度によって手術療法や薬物療法 を行います。

・排卵因子

排卵しているかどうかは、基礎体温表つければわかります。

検査では、超音波や 血液検査で判断できます。

排卵がうまくいっていないとわかれば、排卵誘発剤を 使う治療を行います。

・頸管因子

ヒューナーテストを行い、結果不良の時には人工授精を行います。

・卵管因子

卵管の検査は、卵管が通っているか通っていないかしかわからないので、通って いないと確定したら、それを治す手術をするのかどうかという判断になります。

手術をして卵管が通り、人工授精して精子も卵管の中を進んでいる、排卵もしっ かりしている、それでも妊娠に至らない場合は、ピックアップ障害の可能性もあ るので体外受精に進みます。

<男性側の原因>

当院のデータでも、不妊原因の約4分の1は男性側にあります。

精液検査が基本で、 精子が十分にあるのか、少ないのか、数によって治療方法が変わります。

WHO では、ある一定の期間に精液検査をして、妊娠できた人の95%の中で一番低い数 値がセックスで妊娠できる精子の数の下限としています。

基準値を下回る場合は 人工授精、体外受精・顕微授精が適応になるケースが多いでしょう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。