初顕微授精での採卵日について

初めての顕微授精

採卵日が合っていたのか 疑問に感じています

柏崎 祐士 先生 京都府立医科大学医学部卒業。2000年まで日本大学板橋病院 で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦 人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本 生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会認定医。O型・ おとめ座。子どもの頃、1年だけアメリカに住んでいたという 柏崎先生は、短期間であっても当時の生活や文化の豊かさに衝 撃を受けたとか。その影響でクリスマスは毎年ご自宅で、詰め 物にもこだわったターキーの丸焼きを作るそうです。
やすきちさん(38歳)からの相談 Q.初めて顕微授精に臨みました。ショート法でD4より1日3回点鼻薬ブセレキュアⓇと HMGを150単位注射(病院が休みの日は自己注射ゴナールエフⓇを1日75単 位)。採卵36時間前にはHCG注射をし、点鼻薬はその時点で終了しました。D 11/卵胞16.5㎜と15㎜程度合わせて3個、D14/20㎜1個と15~16㎜2 個、サイズ不明1個で計4個(エストロゲン値が1300)確認。D16/採卵する も2個しか採れず。D20/受精せず終了。卵子が過熟だったとのこと。「採卵して みないとわからないことなので」と先生から説明がありました。今回、D16での 採卵となったのですが、D14の時点でエストロゲンが1300pg/mlだったので「成 熟していたのでは?」と疑問です。採卵は、ある程度薬でタイミングを調整できる と聞いたことがあるのですが……。どう思われますか?

採卵してみないと分からない部分も

やすきちさんが受けた治療についてどう思 われますか。
柏崎先生 いくつか疑問を感じますね。
ま ず、卵巣刺激法についてですが、やすきち さんのような年齢や傾向の方の場合、ショー ト法を選択する施設は少ないと思います。
ショート法はブセレキュアⓇを生理の最初に 使いますが、それで視床下部下垂体が刺激 されると、フレアアップといって一時的に エストロゲンの値が上がるんですね。
これ により反応を活発にして卵胞を育てていこ うという方法です。
なおかつ、ずっとブセ レキュアⓇを使っていくと、早期の排卵を抑 えるという効果も。
以前はよくやっていま したが、今はアンタゴニストという速効性 のある方法が一般的に。
わざわざブセレキュ アⓇを使わなくても、最初から注射で刺激し ておいて、後半にアンタゴニストを使った ほうが反応は良いといわれています。
それから注射薬が統一されていないのも 気になります。
HMGを150単位注射し ていたのですが、病院が休みの日はゴナー ルエフⓇの自己注射をしていたとのこと。
HMGというのはLHが入っている注射。
ゴナールエフⓇにはLHは配合されておら ず、FSHだけの注射なんですね。
ホルモ ンの配合量のバラつきがあるうえ、量も 75 単位と少なくしています。これはおかしい のでは?
HMGの自己注射はないので、やむをえ ずゴナールエフⓇで代用したのなら、せめて 同じ量か少し多めにするべきだと思います ね。
増やして、また減らすというのはあま りしません。
休診ということなら、他の病 院に注射だけ頼むなどの措置をとったほう がよかったのではないでしょうか。
このよ うなことから、うまくシンクロしなかった のかもしれません。
また、エストロゲンの見方についても、やすきちさんと同様に疑問を持ちます。成 熟時の卵胞1個あたり、だいたい300 pg /ml というのが標準。
この方の場合4個です から、1個400~500 pg / ml くらいだと 考えられます。
エストロゲンの値として特 に問題はないので、やはりD 14 で採卵して もよかったのではないかと思いますね。
確かに主治医の先生がおっしゃるように、 ベストな採卵をきっちり予測することは難 しく、「採卵してみないとわからない」とい う部分もありますが、卵巣刺激法やお薬の 使い方で、もう少し正確にタイミングを合 わせていくことができるのではないかと思 います。

AMHで誘発方法を考える

次回採卵をするとしたら、どのような方法 がいいのでしょうか。
柏崎先生 卵胞のムラをなくすのだったら、 アンタゴニスト法がいいのではないかと思 いますね。
もしくは、この方は年齢が高めで、 AMH値も0・ 96 ng / ml と低いので強い刺激 は避け、自然周期かクロミッドⓇ周期を考え てもいいかもしれません。
採れる卵子の数 は1個、2個だと思いますが、数ではなく 質に期待して、少数精鋭でチャレンジされ てみるのも1つの方法だと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。