移植の方法について悩んでいます。

胚盤胞移植二段階胚移植、 どちらの方法を選択すれば いいでしょうか?

福田 勝 先生 順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦人科学 教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経て、1993年 福田ウイメンズクリニック開院。医療機器を新しいものに替える時、先のこと をふと考えてしまうという先生。今は仕事中心で、引退後の自分は想像でき ないとか。患者さんのためにも、まだまだ第一線での活躍を期待しています!
ぱこさん(48歳)からの相談 Q. 3年前に凍結した胚盤胞がありますが、まだ移植はしていません。年齢が高いので採卵を 優先していますが、最近は空胞も多く、採卵できても胚盤胞に至らずに終わることが多い です。そんななかで、胚盤胞にならなかった時に、もう少し早い段階で凍結し、二段階胚移植に使うことはできなかったのかと思いました。しかし、胚の発達が止まってからの凍 結では、二段階胚移植に使うには遅い気もします。 次回採卵できた場合、どこまで培養してもらい、どの段階で凍結をしたほうがいいのか。 二段階胚移植の選択もあり? 実際のところ、この移植法の効果は? 妊娠率は胚盤胞移植と同程度だと聞いたことがあります。

年齢と卵子の老化

年齢が 48 歳で、現在は採卵を優先されているようですが、なかなか状態のいい卵子が採れないそうです。
福田先生 年齢が高くなってくると、卵子も老化が進んできます。
空胞、すなわち、顆粒膜細胞が卵胞の壁にくっついてしまうことが増えるなど、成熟機序がうまくいかなくなってきてしまう。
卵子の加齢については、ご本人も実感されていることと思います。
ただ幸いなことに、この方には3 年前に凍結した胚盤胞が残されています。
今後の採卵でいい状態の卵子が採れなかったとしても、まだ胚盤胞を移植できるチャンスがあるということですね。

二段階胚移植

その移植において、胚盤胞か二段階胚移植かで悩まれているようです。まず、二段階胚移植とはどのような方法か教えていただけますか?
福田先生 二段階胚移植法とは、分割胚と胚盤胞を二回に分けて移植する方法です。
自然の妊娠だと、受精する場所は卵管ですよね。
卵管で受精し、発育しながら子宮の中に入って着床します。
この時、卵管内を移動する胚から何かしらのシグナルが送られて、着床に向けて子宮内膜が最終準備に入るのではないか。
そのように想定して、先に移植した初期胚に信号を出させて子宮環境を整え、後に移植する胚盤胞の着床率を上げよう、というのが二段階胚移植の考え方です。
つまり、通常の胚盤胞移植だと、培養して着床寸前の受精卵を入れるわけですから、もしかしたら着床の準備が間に合わない場合もあるかもしれない、ということです。

二段階胚移植の妊娠率

ということは、胚盤胞移植よりも妊娠率は高いということですか?
福田先生 胚からシグナルが出るという事実ははっきりと確認されているわけではありません。
胚盤胞だけの移植でも妊娠率は決して低くなく、二段階胚移植をしても妊娠率がずば抜けて高くなるというわけではない。
ぱこさんがおっしゃるように、胚盤胞移植と同程度の確率なんです。
二段階胚移植は胚を2個戻しますが、それは問題ないのでしょうか。
福田先生 もちろん多胎のリスクがあるので推奨はされませんが、治療歴や年齢によっては行うこともあります。
ぱこさんは治療歴が 12 年、ご年齢も 48 歳ということですから、選択肢の1つになるのでは。
35 歳以上で反復不成功という場合は、できる限りの可能性を考え、当院でもこの方法をご提示することがあります。
では、次回はどのような移植法がいいと思われますか?
福田先生 卵子が採れて、うまく胚盤胞になったら凍結する。
胚盤胞までいかないかもしれないと評価されたら、それを使って二段階胚移植にチャレンジしてみてもいいでしょう。
胚の状態を見ながら医師とよく相談され、最終的にはご本人が納得する方法を選ぶことが最善だと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。