【Q&A】不妊~宇津宮先生

ももさん(44歳) 私は子宮腺筋症(びまん)と内膜症(チョコレート嚢胞)と診断され顕微授精開始しました。医師から䛿、子宮腺筋症や内膜症があっても良い卵なら妊娠しますと言われまた、病巣の治療すると卵巣機能低下や癒着の恐れあると言われ外科治療はせず不妊治療して5年が経ちました。妊娠しないのは、子宮腺筋症、内膜症があるからなのでしょうか?また、医師からはチョコレート嚢胞があるが片側の卵巣から卵取れるし受精出来てるから内膜症より腺筋症が原因かなとも言われ5年経過してから言われ困惑してます。今後治療をどうしたら良いのか悩んでます。

宇津宮先生に、お話しを聞いてきました。

セント・ルカ産婦人科 宇津宮 隆史 先生 熊本大学医学部卒業。1988 年九州大学生体防御医学研究所講師、1989 年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアの一人。開院以来、妊娠数は 9,500 件を超える。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
5年前の選択はそれもありだと思います。腺筋症手術をすれば妊娠率が上がるという明確なエビデンスはありません。しかし、発生場所によっては着床不全が危惧されます。
当院では、それに加え、毎回の月経痛がひどい場合には手術をします。しかしその後の腹腔鏡検査で、癒着がかなりひどいのが腺筋症の特徴と言えます。筋腫とは比べ物にならないほどです。
着床不全の原因として指摘する論文がありますが、まだエビデンスまでは至っていないようです。しかし5年間の治療経験から、次のステップとして核出術は考えてもよいと思います。
44歳ですからあまり期待はできませんが、PGT-Aを含め、核出術だと思います。なぜなら、後悔しないために、すべてをやり終えた状態で治療に臨むためです。しかしこれは患者さんとよく話し合って決めます。44歳ならあと1年くらいしかありません。
今までの治療経過を見直し、もう一度計画を考える時期かと思います。
また、手術をしない場合には、このような方は超ロングCOH法が良いと思います。要するにずっとGnRHaを持続し、その間に時々COHを行い、採卵する、またはHRTで移植をする、いつもはGnRHaを使用して腺筋症を小さくしておくという方法です。
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