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【医師監修】藤野 祐司 先生 大阪市立大学医学部卒業。米国留 学、同大学医学部婦人科学教室講 師を経て、1997年にクリニックを開 業。現在、同大学で非常勤講師も 務める。B型・おとめ座。歴史や鉄 道模型など、さまざまなことに興味 を持ち、熱中する先生。最近は体に いいとされる「粗食」に興味津々。 いろいろな野菜をたっぷり摂るよう になってから体調もいい。野菜を使っ た料理にも挑戦中!
mikiさん(24歳)からの投稿 Q.自分では、高温期が10日くらいと少し短い気がするんですが、 先生は「血液検査では異常ないから」という感じで気にしてい ない様子。今の病院では排卵誘発の注射をするのみで、ずっ とタイミング療法です。初診で血液検査をしただけで、それか らは検査していないのですが、それが普通ですか? 検査やス テップアップは自分から言わないといけないのでしょうか。
月経周期と原子卵胞
検査では異常はないけれど、基礎体温の「高温期が少し短い気がする」と気にしていらっしゃいます。
藤野先生 たしかに月経周期がちょっと早くなってきていますね。
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これが 30 代後半の方ですと、卵巣の中の原始卵胞が少なくなっていることが時々あるんですが、mikiさんはまだ 24 歳なので、そういう危機的状況ではないでしょう。
高温期が短く、 10 日ほどしかないことが、どういう意味かというと、排卵はあるけれど、月経周期が短くなってきているということ。
今一度、検査をしてみたほうがいいですね。
高プロラクチン血症の疑い
検査は、最初に一度やっておけばいいというものではないのですね。
藤野先生 はい。いろいろな原因で高温期は短くなるんですが、一番大きな要因として、ストレスがかかってプロラクチンの値が上昇する、隠れた潜在的な高プロラクチン血症が疑われます。
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排卵の時期がずれたり、高温期が短くなるなど、黄体機能不全の状態を起こしやすくなっている。
そうすると、排卵はするが高温期が短い、排卵後の黄体ホルモンが十分に出ず、着床しにくいという場合があるようです。
そのあたりを知るためにも受けて ほしいのが、ホルモンの負荷検査、TRHテスト。
プロラクチンというホルモンの分泌の能力、ホルモンのリズムを調べるテストです。
人工授精も以前の病院で2回行っていらっしゃるようですが、しばらく治療を休んでいるということですから、医師にも相談し、検査をもう一度洗い直してみるのが先かなと。
ほかに必要な検査は?
ほかに受けたほうがいい検査は?
クラミジア抗体値があまりに高いと、卵管の癒着によるピックアップ障害という卵管の機能障害があるかもしれないと予測がつきます。
現在は排卵誘発のみでタイミング療法ということですが、ステップアップは考えなくてもいいですか?
藤野先生 今はおそらくHCG製剤による刺激だけだと思うのですが、今後は卵胞が複数個採れるような排卵誘発剤を使ってみると、妊娠の可能性が広がると思います。
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特に月経周期が不順な方や、排卵はするけれど、黄体機能不全で、高温期の黄体ホルモン量が少ない方には有効です。
多胎妊娠のリスクが高くなるかもしれませんが、体外受精も含めて、あらゆる可能性を探ってみてほしいですね。
※HCG製剤:発育した卵胞を排卵させたり、黄体機能を維持・活性化させる、 胎盤性性腺刺激ホルモン製剤。排卵誘発療法に用いられる。