ポリープがあっても不妊治療を進められる?【医師監修】

 

監修 久永産婦人科 久永浩靖先生 奈良県立医科大学卒業。奈良県 立医科大学産婦人科助手を経て、 東大阪市立中央病院産婦人科医 長、奈良県立奈良病院産婦人科 医長を歴任。その後、不妊専門 クリニック勤務を経て、2003年 久永婦人科クリニック院長として 就任。O型・うし年。
ましゅまろさん 専業主婦 29 歳 Q.婦人科検診で見つかることの多い 子宮内膜ポリープ。 掻爬しても再発することがある といわれていますが、 ポリープの悩みを抱えたまま不妊治療を 進めていくことは可能なのでしょうか…?

子宮内膜ポリープと不妊

ジネラーの中ではポリープの悩みを抱えている方も多くいらっしゃますが、子宮内膜ポリープがあると妊娠もしにくくなるのでしょうか?
久永先生 受精卵は最終的に子宮の内膜に潜り込んで着床します。そこにポリープのような隆起性病変があるということは、妊娠の最後の段階である着床という現象が阻害されてしまう可能性がある、ということですね。

子宮内膜ポリープの治療法

子宮内膜ポリープの治療法にはどんなものがありますか?
久永先生 簡単な処置としては子宮といって、子宮の中をひっかき、ポリープごと1回内膜をお掃除してしまう。大きなものでしたら最近は「※CR」という子宮鏡下で行う切除術があります。※TCR:子宮鏡下手術
再発については個人差があり、頸ポリープなどは繰り返す方が多いですね。なかには数ヶ月の短い期間で再発される方もいます。

不妊治療で一番気にすべきこと

ではやはり、再発を繰り返していたら妊娠は難しいということなのでしょうか?
久永先生 再発は患者さんにとってブルーになる原因になってしまうと思いますが、ポリープ=不妊症と結びつけないほうがいいですね。リープがあってもそのまま妊娠される方もたくさんいます。
僕が初診で患者さんのお話を聞く 場合、みるべきポイントは4つあります。1.患者さんの年齢、2.不妊期間、それから、3.わかる範囲での不妊原因と、4.今までの治療歴。
 
中でも一番大きなポイントは年齢だと考えています。

年齢だけでかなり妊娠率が変わってきますから。正直言ってそれに比べたら、小さなポリープというのはたいしたことはないのかもしれません。
 
大きなポリープがどんどん再発するとは考えにくいので、年齢的に早く妊娠を望まれる方はポリープはそのままにしておいて、積極的に不妊治療を考えられてもいいのではないでしょうか。
 
後ろ向きにならず、医師とコミュニケーションをとりながら、ステップアップしていきましょう。

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