【用語集】化学流産

難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。

治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?

勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。

クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。

化学流産

尿検査や血液検査により、妊娠反応であるhCG陽性を示しますが、経腟超音波検査で胎嚢(赤ちゃんが入った袋状のもの、妊娠4〜5週くらいで確認できる)を認めないうちに生理に似た出血を起こし、妊娠が終結することです。

これまで化学流産(ケミカルアボーション)といわれていました。

主な原因は受精卵の染色体異常で、受精卵が子宮に着床するものの、ごく初期の段階で発育が止まってしまうのです。

そのため、腹痛や子宮口が開いたりといった流産に特有の症状はみられません。

また、流産後の医療処置は基本的に行われません。

妊娠5週以後を流産と定義しているため、化学流産は流産回数に含まれません。

よって、化学流産を2回繰り返しても習慣性流産や不育症とは関連性はないといわれていますが、ヨーロッパの生殖学会では異なる見解も出されています。

なお、異所性妊娠でも同じように胎嚢を確認できませんが、hCGは生化学的妊娠に比べ高値になります。

藤野 剛 先生

監修 ときわ台レディースクリニック 藤野 剛 先生 帝京大学医学部卒業、帝京大学医学部産婦人科入局。焼津市立総合病院、帝京大学医学部付属病院、大川病院を経て2008年9月ときわ台レディースクリニック開業。一般婦人科にも対応し、地域に根差した診療を心がけています。
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