沙織さん(35歳)
排卵誘発剤と注射薬を使用してタイミングを計って来ましたが、一度も排卵が起きずリセットの繰り返しです。
今月末に卵巣多孔手術を受けますが、この手術を受けても排卵が起きない人もいるでしょうか?
自分でできる事には限りがありますが、食生活の見直しをして減量を試みています。ジムにも通い始め運動も少し増やしています。
このまま、この治療と生活をし続けて、37歳になるまでに妊娠出産できる可能性はあるでしょうか?
さっぽろARTクリニックn24の藤本 尚先生に伺いました。

日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
沙織さん、こんにちは。さっぽろARTクリニックn24の藤本です。それではひとつずつお返事させていただきます。
卵巣多孔手術は、多嚢胞性卵巣症候群の治療において排卵を促す方法の一つです。しかし、手術後でも排卵が起きない可能性はあります。また、術後に思ったよりも卵巣機能にダメージが出る場合もあります。手術自体は、たぶんですが腹腔鏡下手術だとは思いますが、それでも体に傷をつける手術となりますので、負担は大きなものとなります。確かに排卵を促すことで、タイミングや人工授精での妊娠のチャンスは生まれますが、卵巣多孔術=妊娠ではありません。もし、今後の選択肢の中にART(体外受精)が入っているなら、手術はせずにすぐにARTに進むというのも一つの方法かなと思います。AMH:8.4というのは、卵はたくさんあるものの一つだけをうまく育てることができないということであって、排卵誘発で複数個の卵胞を育てることは可能な方だと思うからです。主治医の先生とよく相談してくださいね。
37歳までに妊娠・出産できる可能性については、個々の状況に依存しますが、適切な治療を続けることで可能性は十分あると言えます。一つは35歳という年齢、もう一つはAMH:8.4であることですね。先ほども書きましたが、色々と排卵誘発方法を行うも1-2個だけの卵胞発育を望めないので卵巣多孔術を検討中のようですが、ここで手術をせずにARTにすすむことで、37歳までに出産できる可能性は高くなると思います。
排卵誘発剤と注射薬の効果を、何かをすることでより高めるというのは難しいかもしれません。主治医の先生の指示をきちんと守り、規則正しい生活とストレスをできるだけ書けない生活を心がけるくらいになります。僕はよく普通に過ごしてくださいと言います。何かをすることですごく効果を高めることはできないので、それならば、あまり神経質にならずに普通に過ごしてくださいという意味です。
食生活の改善は、ホルモンバランスに良い影響を与え、妊娠しやすい体を作る手助けとなります。食事の内容もありますが、適切な体重管理は妊娠ひいては妊娠後の生活と生まれてくる赤ちゃんにも影響を及ぼします。体重は多すぎても少なすぎても妊娠にはマイナスです。やせすぎると排卵がうまくいかなくなる場合がありますし、太りすぎでも排卵障害を起こしたり、妊娠した際に妊娠糖尿病になりやすくなったりもします。適度な体重管理が望ましいです。そのためには、バランスの取れた食事に加え、適度な運動を続けていくことは重要です。こうした努力は、全体的な妊娠の見通しを良くする要素となります。
このままの治療と生活での妊娠の見通しについては、適切な体重を維持するための生活改善を続け、主治医と密にコミュニケーションを取りながら治療を進めることで、妊娠の可能性を高めることができると考えられます。ただし、具体的な状況や治療の進展については、主治医としっかりと相談しながら進めてくださいね。以上お返事とさせていただきます。手術が近いようですので、迷っているなら改めて主治医と相談する機会を設けてもらい、沙織さんの疑問や不安をぶつけてみてください。なかなか口に出してもらえないと主治医の先生もわからないこともありますし、そうすることで沙織さんの不安も軽減されるのが望ましいかなと思います。