【体験談】流産を乗り越えて迎える命。遠回りした日々も大切な時間でした。

 

妊娠がゴールではないことを教えてくれた
流産を乗り越えて迎える命。遠回りした日々も大切な時間でした。

すれ違いを機に本音で向き合い、転院や流産などさまざまな経験を経てたどり着いた夫婦の形。
出産を目前に控えた今、お腹の赤ちゃんとの暮らしに思いを巡らせながら、家族として新たな一歩を踏み出そうとしています。

夫婦のすれ違いが大きな転機に

Yさん(37歳)とご主人のHさん(38歳)は出会ってすぐ交際に発展し、半年後にプロポーズ。「お互い、つき合い始めた頃から感じていた」という言葉通り、二人は結婚を即決したそうです。
Yさんは仕事が楽しくなっていた時期でもあり、結婚後すぐに妊活を始めたわけではありません。「芸能人の高齢出産のニュースを目にする機会も多く、自分もなんとかなるんじゃないかと思っていて、5年ほど妊活を意識せず過ごしていました」
一方で、Hさんは子どもをすぐに望んでいたものの、妊娠・出産は女性側の負担が大きいことを理解していたからこそ、積極的に「欲しい」と口にすることはなかったそうです。
「正直、子どものことはまだいいかな」と思っていたYさんと、子どもへの思いを胸に秘めていたHさん。二人のすれ違いは、やがて大きな転機となりました。「ある日突然、彼に“もう待てない”と言われて…。離婚に発展しかねないほどの覚悟を聞いて、初めて子どものことを後回しにしていた自分に気づきました」

解決策がないまま、同じ治療の繰り返し

Yさんは35歳でようやく妊活を開始。検査で大きな異常が見つからなかったことで「これなら、意識すれば授かるだろう」と安心していたそうです。しかし、最初に通ったクリニックでの治療は決して順調ではありませんでした。
排卵時期になり、排卵検査薬で反応が出ていたのに、主治医はエコーでの卵胞チェックの際に「卵胞が見えない」「次は見えるかもしれないね」と言うばかり。
「人によっては卵胞が見えないこともある、という記事をネットで目にしたこともあったので、これは私自身に原因があるのか、それとも担当医の腕によるものなのかわからずに、何とも言えない時間を過ごしていました」
妊活に少しでも良いことをしようと、漢方や食生活の見直しにも真剣に取り組んでいたからこそ、結果に結びつかない状況へのもどかしさは募るばかり。金銭的な負担も膨らみ続けました。
「がんばっているのに全然うまくいかなくて、この頃は常にモヤモヤとした気持ちを抱えていました」

違和感を感じ、転院を決意した

1軒目のクリニックは、職場に近く通いやすいという利便性を優先して選択。「担当の先生は親身に話を聞いてくれず、質問もしづらいような雰囲気で、一人ひとりと向き合うというよりも流れ作業のような印象を受けました」。初めての不妊治療で知識も少なく、「こんなものなのかな?」とも思っていたそうですが、採卵キャンセルが続くうちに疑問を抱くように。
「今思えば、口コミなどをちゃんと調べて選ぶべきでした」
通院から約1年後、転院を決意。反省を生かして口コミ評価の高いクリニックを探しましたが、条件にぴったりのクリニックは人気や評価に比例して患者数が多く、初診まで1カ月半待ちだったため断念。その後も再び検索を重ね、無理なく通える距離にあり、口コミでも評価されているクリニックを見つけたYさんは、新たな気持ちで治療を再開しました。

流産が教えてくれた「妊娠」の奇跡

転院を機に自身の体と向き合い、基礎体温を付け始めたYさんは、思っていたよりも排卵時期が遅いことに気づきます。
「低温期が長いタイプで、そもそも排卵の時期がズレていたみたいです。だから、タイミングを取っても結果が出なかったんですね」
基礎体温をもとにタイミングを取ったところ、初めて妊娠。9週目で流産という結果でしたが、その経験もまた、Yさんに大きな気づきを与えてくれました。
「妊娠をゴールだと捉えていたから、目標を達成できたと勘違いしていたんです。自分が流産するなんて想像もしていなかったけど、このときに初めて年齢を強く意識し、早く妊活をしていれば…という思いも込み上げました」
またこの頃には、治療に対する温度差を感じるようになり、夫婦関係に悩むこともあったそう。
「自由に過ごすことを5年も許容してくれていた夫には感謝していましたが、一人で治療に向き合っているような感覚がつらくて…。難しい言葉や治療内容が増えてきた時に一緒に調べてくれたり、通院に付き添ってくれたりするだけでも心強かったと思うし、二人で治療に取り組んでいる実感が欲しかったんだと思います」
それでも、流産のときに取ったHさんの行動は今も心に深く刻まれています。2日ほど出血が続き、流産を覚悟していたある日。ナプキンに小さな塊を見つけたYさんがHさんに告げると、その存在を瞬時に素手で掬い上げてくれたそう。少しの迷いもない姿を目の当たりにし、「口や態度に出さなくても、十分すぎるほどの思いが伝わりました」と、大きな愛情を感じることができたそうです。

出産を目前に控え、未来を思い描く

その後、再びタイミング療法で妊娠。出血が続いたことで「また同じことが起きるんじゃないか」と不安もよぎりましたが、自宅安静を徹底したことと、Hさんのサポートによってその後は大きなトラブルもなく、無事に出産目前の日を迎えることができました。Hさんはお腹の我が子にすっかり夢中な様子で、その姿もYさんの喜びにつながっているようです。
「3人でピクニックに行ったり、お菓子作りができたら幸せですね。楽しい時間をたくさん過ごして、一緒に成長していける家族になれたらと思います」

*後日、Yさんから、「スーパー安産で生まれました!」と嬉しい報告をいただきました。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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