いくらさん(31歳)
まだ1回目とはいえ、31歳なのに高刺激で排卵誘発しても4個しか採卵できません。
4abと比較的良い胚盤胞を移植しても全く着床もせず、病院の先生からは「期待してください」とまで言われていたので、妊娠できず次また採卵から始めないといけなくなったことにかなりショックを受けました。
着床しない考えられる原因は何でしょうか。染色体異常でしょうか?
着床環境の検査は、2回移植しても着床できなかった人が対象とのことで、検査はできていません。
前回採卵の排卵誘発で高刺激だったのになぜ4個しかとれなかったのか、刺激方法が合っていなかったのか、病院が合っていないのか、次の採卵時の排卵誘発方法はどうすれば良いのか、悩んでいます。
チョコレート嚢胞は着床には影響はないと先生には言われてますが、サイトカインという炎症物質が出て着床を妨げている可能性はありますか?
浅田レディースクリニックの浅田 義正先生に伺いました。

名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、岡崎、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
高刺激での採卵が少ない理由と着床障害の原因について
胚盤胞を移植したら1日~2日の間に多くの胚は着床し、移植から9日~11日後に妊娠判定をします。それまでに胚の発育が止まったら妊娠しなかったとなるため、着床していないと考えるのは、着床障害をどうすればよいかという間違った前提で治療を選択することになります。
31歳でAMHが1.96ならばもっと多くの数を採卵できてよいはずですが、なぜ採卵できなかったのかは、調節卵巣刺激や採卵、培養技術が関係していたのかもしれません。技術は治療する施設によって差があります。
チョコレート嚢胞があったとしても、体外受精では妊娠率は大きく変わりません。30年~40年程前には子宮内膜症の組織からサイトカインが出て悪い影響を及ぼすと言われ、腹腔鏡で腹腔内を洗っていたこともありました。現在ではそのような処置をすることはありません。
体外受精で妊娠すれば、ジエノゲストより何倍も効果があり、9ヶ月にわたってホルモン療法を実施するようなものです。子宮も卵管も妊娠経過により位置が変わるので、子宮内膜症によって癒着している部分は剥がれ、化学療法や手術よりもよい治療となります。
SEET法やラクトフェリンを使って着床をよくするという治療については、妊娠率を高めるエビデンスがありません。
妊娠率を上げるためには、PGT-Aをし、染色体異常のない受精卵を選んで移植することです。
精子・卵子の時点で遺伝子が組み換わっていて、受精卵1個ずつが全て別物です。同じご両親から様々なきょうだいが生まれてくるように、全て別である受精卵を順番に移植して、遺伝子の組み合わせがよかったものが赤ちゃんまで育ちます。
生殖医療は、自然界の遺伝子組み換えが本質であり、受精卵を作るところまでが不妊治療で、妊娠率を高めるには多くの受精卵の中から選んで移植することです。卵巣刺激、採卵の技術、受精操作、培養技術が優れ、多くの受精卵や胚盤胞を作ることができる施設の妊娠率が高くなるため、そのような施設で治療されることをおすすめします。