きぃさん(44歳)
私は現在44歳で、第二子を希望しています。
第一子は、42歳の時に不妊治療を開始し、保険適用の条件に合わせて採卵から治療を行いました。3回目の体外受精で妊娠し、昨年5月に43歳で妊娠高血圧症候群のため帝王切開にて出産しました。
また、39歳の時に将来の妊娠の可能性を残すために卵子凍結をしており、現在その卵子が残っています。その卵子を使用して第二子の治療を開始したいと考えています。
ただ、現在、子宮頸部のことで不安があります。
第一子の妊娠中、妊婦健診の子宮頸がん検診で異常を指摘されました。当初は「妊娠中によくあることで、出産後に正常には戻るだろう」と説明されましたが、その後も良くなったり悪くなったりを繰り返し、産後1年以上経過した現在も経過観察が続いています。
ここ最近はNILMが2回続き、6月の検査でもNILMであれば経過観察終了と言われ、そのタイミングで第二子の不妊治療を開始しようと考えていました。しかし、結果はHSILとなり、コルポスコピーと組織検査を受けた結果、CIN2と診断されました。
現在通院している婦人科では、
「希望すれば円錐切除もできるが、現時点では経過観察を続けてもよい段階である。妊娠希望がある場合は、手術によって流産や早産のリスクが上がる可能性があるため、今は経過観察の方がよいと思う」
と説明を受けています。
また、
「経過観察の場合は、2~3回連続でNILMになるまで経過をみることになるが、ここまで進んだ場合はNILMになる可能性は低い。手術をすれば、術後1年間異常がなければ経過観察を終了でき、通院回数が減るメリットがある」
という説明も受けました。
年齢的なこともあり、できるだけ早く第二子の不妊治療を開始したいと考えていますが、CIN2がある状態で妊娠を目指してよいのか、とても迷っています。
第一子の妊娠中も、「産後には改善するだろう」と説明されていましたが、結果的にはそうなりませんでした。そのため、今回も「経過観察でよい」と言われていても、妊娠中に病変が進行したり、妊娠の継続に影響が出たりすることはないのか、不安を感じています。
また、第一子では妊娠高血圧症候群も発症しており、年齢的なことも含めて次の妊娠にはさまざまなリスクがあることは理解しています。その上で、少しでも安全に第二子を迎えるために、現時点でどのような判断をするのが望ましいのか、ご意見を伺いたいと考えています。
先生に伺いたいことは、以下の点です。
・CIN2がある状態で妊娠を目指すことについて、生殖医療の立場からどのように考えられるか
・39歳時に凍結した卵子を使用する予定であることを踏まえ、治療開始時期を延期した方がよいと考えられるか
・不妊治療と子宮頸部の経過観察を、どのような順序で進めるのが望ましいか
・現在の病院では、妊娠が成立した場合はその後の診療は行わないと言われています。その場合、どのような医療機関で妊娠中の管理を受けることになるのでしょうか
その他、今の状況ですべきことなど、アドバイスやご意見をいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
東京ARTクリニックの小川 誠司先生に伺いました。

2004 年名古屋市立大学医学部卒業。2014 年慶應義塾大学病院産婦人科助教、2018 年荻窪病院・虹クリニック、2019 年那須赤十字病院産婦人科副部長、仙台ART クリニック副院長を経て2023年9月、藤田医科大学東京 先端医療研究センターの講師、2024年4月に准教授に就任。2026年2月から東京ARTクリニックの院長に就任。藤田医科大学客員准教授。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖医療学会専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
CIN2の状態であれば、不妊治療と並行して経過をみていくことは十分可能です。
ご年齢を考慮すると、妊娠を先延ばしにすることによる妊孕性の低下も懸念されますので、不妊治療を延期する必要はなく、できるだけ早めに妊娠を目指されることをお勧めします。
一方で、妊娠中にCIN2が進行する可能性はゼロではありません。そのため、妊娠中も定期的に細胞診や必要に応じた診察を受けながら、適切に経過観察を行うことが大切です。
また、凍結卵子を融解して治療を開始する前に、子宮頸部細胞診、必要に応じて組織診を行い、病変の進行がないことを確認したうえで不妊治療を開始されると、より安心して治療を進められると思います。
妊娠後の分娩施設については、CIN2の定期的なフォローアップが可能であり、万が一病変が進行した場合にも適切な対応ができる医療機関を選択されることをお勧めします。また、ご年齢を考慮すると妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの周産期合併症のリスクもやや高くなるため、総合病院や周産期医療体制が整った医療機関で妊娠管理を受けられると、より安心かと思います。
総合的には、ご年齢による妊孕性への影響を考慮し、CIN2の経過を適切にフォローしながら、早めに不妊治療を再開されることをお勧めいたします。