【Q&A】体外受精で流産3回、染色体検査は必要?~浅田先生【医師監修】

ビビさん (28歳)

体外受精で8w流産、化学流産2回。人工受精では1週間以内に生理が来てしまい、3回目で体外にステップアップしました。
現在28歳で、夫は30歳です
今までの初期流産は染色体異常が原因だと考えられますか?他にできることは、夫婦染色体検査しかないのでしょうか?
ホルモン補充周期のときだけ着床します。自然妊娠や人工受精では厳しいでしょうか?

浅田先生に聞いてきました

【医師監修】浅田レディースクリニック 浅田義正 先生
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、岡崎、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください

28歳でAMH値が1.25ng/mlですので、卵巣予備能が低く、早発卵巣不全の予備軍になると思います。流産は「何か悪いところがあったから起こる」という単純なものではありません。ヒトの場合、受精卵ができても、その多くは偶然起こる染色体の変化などによって途中までしか発育しません。

また着床は、胚盤胞を移植した後おおよそ1〜2日ほどで完了します。妊娠検査で陰性となる場合は、着床しなかったというわけではなく、早い段階で発育が止まってしまったと考えてください。妊娠判定で陽性にならない状態を「着床不全」と呼ぶこともありますが、その多くは必ずしも着床自体が起きていないわけではなく、着床しても非常に早い段階で発育が止まった場合がほとんどです。妊娠判定で一度陽性になったあとに発育が止まる場合は「化学流産」や「初期流産」となります。

生殖は遺伝子の組み換えにより成り立っています。精子や卵子は受精卵が作られる過程で遺伝子が少しずつ組み替えられ、1つ1つが異なる特徴を持っています。そのような精子と卵子が受精し、受精卵となり、順調に育つことで赤ちゃんへと成長していきます。たとえば28歳でも、10個の受精卵のうち平均で3〜4個程度に染色体の異常がみられます。
そのため「ホルモン補充周期のときだけ着床する」ということについては、ホルモン補充周期の方が子宮内のホルモン環境が安定しやすく、その結果として受精卵の成長が続きやすい可能性があるとも考えられます。

自然妊娠や人工授精についてですが、現在、体外受精をされているということは、自然妊娠や人工授精では十分な結果を得ることが難しく、体外受精へステップアップされたと思われます。ごくまれではありますが、数百例に1例程度の頻度で、体外受精ではなかなか結果が出なかった方が、治療をしていない期間に自然妊娠されることがありますが、きわめて確率は低いです。

流産の可能性を少しでも低くする方法の一つとして、PGT-A検査(着床前胚染色体異数性検査)があります。PGT-A検査で染色体異常のない「正倍数性胚」を選択して移植することで、妊娠率の向上や流産率の低下が期待されます。

ビビさんの場合は、卵巣予備能が低いため、今後2人目、3人目のお子さんを希望されるのであれば、できるだけ早めに妊娠を目指すことが大切です。適切な卵巣刺激によって、できるだけ多くの成熟卵を確保し、その受精卵に対してPGT-A検査を行いながら治療を進めていくことが妊娠への近道だと考えます。ただ、AMH値が1.25ng/mlと1度に採れる卵の数は少ないので、エビデンスのある治療を選択していただき、早く結果を出してほしいと思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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