えむさん(42歳)
かかりつけ医には、移植した卵のグレードも悪くないので染色体異常の可能性が高く、移植回数をこなすしかないと言われています。
年齢的にきびしい事も理解していますが、他に出来る事などあれば教えて頂きたいです。
いま通ってる病院ではPGTAはされていません。
また、フローラ検査をする必要もあったのでしょうか?
【医師監修】みのうらレディースクリニック 前沢 忠志 先生
日本産科婦人科学会専門医、指導医。日本生殖医学会専門医、指導医。母体保護法指定医。2005 年浜松医科大学を卒業後、初期研修を経て三重大学産科婦人科の医局に入局。済生会松阪総合病院、紀南病院などを経て、2012 年よりIVF なんばクリニック、IVF 大阪クリニックで不妊治療を学び、2016 年より三重大学医学部附属病院勤務。令和6年 みのうらレディースクリニック院長就任。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
情報提供ありがとうございます。
まず、保険診療で行っているため、
胚移植を3回実施してしまった後では、全て自費診療になります。
そのため、転院であれば、
3回目の移植を行う前に行った方がよいです。
大前提として、施設によって胚の培養環境は異なるため、
2回の胚移植(うち2回目は2個胚移植行ったにも関わらず)
で陰性になっているため、
次回の胚移植で同じ採卵周期での胚を移植して妊娠出来る可能性は
それほど高くないかと考えます。そのため、
43歳までは採卵で良好胚盤胞を期待して凍結していくというのが
まず一つ目の選択肢です。
染色体異常の可能性を考えて、胚移植を考えたいのであれば、PGTは大きな選択肢です。当院のデータですが、見て頂いたらわかる通り、年齢が上がったことによる妊娠率の低下は多くは染色体異常です。逆にいえば、正倍数性胚さえ得られれば、70-80%程度の妊娠率は期待できます。異常な胚を移植している間に年齢が上がって、結局正倍数性胚も得られない年齢になってしまって、結局妊娠出来なかったというのが一番残念な結末です。そのためには、早期にPGTを開始して、妊娠・出産に結び付けられるのが、最も効果的な方法とも言えます。しかし、PGTは自費診療になるので、金銭的な問題がありますが、幸い三重県では43歳未満でPGTへの助成金も出ますので、早期に始めれば、経済的負担も軽減できる可能性があります。

子宮内フローラは、一定の割合で細菌叢異常の方はおられて、治療によって妊娠予後を改善出来る可能性があります。当院でも、2回胚移植不成功の場合や、PGT実施後に万全を期するために子宮内フローラを行っております。
採卵した胚のグレードは、年齢やその他の因子によって決まるため、刺激方法等を検討することで、今後採卵する卵に関しては改善していける可能性はあります。
年齢に応じたアドバイスは、これまで述べてきたことが全てです。

42歳であれば、早期にPGTを行って、正倍数性胚を得て胚移植していくのが、最も現実的な早期に妊娠・出産に至る方法になります。保険の胚移植回数も、PGTの助成の回数に影響するため、すぐにPGTを出来る施設への転院をお勧めしますが、最終的に決めるのは患者様夫婦ですので、じっくり検討した上で、結論をお出しください。